2001 Fiscal Year Annual Research Report
血圧調節ホルモンをモデルとした最適トレーニング頻度の解明
Project/Area Number |
12480008
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
須田 和裕 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教授 (70192135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小谷 泰則 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助手 (40240759)
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Keywords | ANP / ラット / 運動 / cGMP / 副腎 / アルドステロン / 受容体 / グアニレートサイクレース |
Research Abstract |
本研究はANPを中心とした血圧調節ホルモンが運動中にどのような速度で減少し、運動後にどのような回復過程を辿るのか、またこれらのホルモン受容体の運動中、運動後の動態を検討し、循環系にとって安全なトレーニング頻度を解明することを目的に行うものである。本年度は血管調節ホルモンの標的臓器である副腎における作用に一過性の運動がどのような影響を与えるかを中心に研究を行った。特にANPの作用に関して実験を行った。副腎から粗細胞膜を調整後、ラジオアイソトープでラベルしたANPを用い、受容体数、親和性を測定したところ一過性運動の影響は見られなかった。全副腎を用いアンジオテンシンIIでアルドステロン放出を刺激し、さらにANPを加えアルドステロン放出抑制しようとしたところ、一過性の運動によってこの作用は消失した。ANPの細胞内情報伝達物質はcGMPと考えられているが、このcGMPを合成するグラニレートサイクレース活性に対して一過性の運動が与える影響を粗副腎細胞膜を用いて検討した。ANPでグラニレートサイクレースを刺激し、合成されたcGMPを酵素免疫測定法で測定したところ、その酵素活性は一過性の運動によって高まることが分かった。ANPのアルドステロン放出抑制作用は低下しているにもかかわらず、その細胞内情報伝達物質を作る酵素活性は高まっていることは一見矛盾している。この一つの原因としてアルドステロン分泌の情報伝達にcGMPも関わっており、この過程に一過性の運動が影響を与えたのではないかと考えられた。
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