2002 Fiscal Year Annual Research Report
1960年代以前のわが国の地域人口の研究-データベース構築および人口増加・出生・死亡・移動の地域差とその要因の分析
Project/Area Number |
12480015
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高橋 眞一 神戸大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (80030683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 隆 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (80094936)
廣嶋 清志 島根大学, 法文学部, 教授 (20284010)
中川 聡史 神戸大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (10314460)
井上 孝 青山学院大学, 経済学部, 教授 (10211749)
石川 義孝 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (30115787)
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Keywords | 地域人口 / データベース / 人口統計 / 人口分布 / 移動 / 都市化 / 世帯 / 人口転換 |
Research Abstract |
最終年である今年度も課題は2つあった。第一のデータベースの作成については、このプロジェクトの過程で、おもに第二次大戦前の国勢調査および人口動態統計報告書等を購入し、それらをもとにした地域人口のデータベースを作成してきた。本年度は、明治以降の府県別都市人口、人口移動に関しては1920-40年の府県別年齢別人口からの純移動数および率、人口動態に関しては1900-1920年代の府県別の推計出生数、府県別月別死亡数、そして府県別世帯数に関するデータ入力を行った。ただ、それらがデータベースとしてはまだ完成途上であるので、引き続きより完全なデータベース作成にむけて作業を続けていくつもりである。 第二に、プロジェクト開始から作成されてきたデータベースに基づいた1960年代以前の日本の人口分布変動とその要因に関する一次的分析を引き続き行った。まず、井上、高橋を中心に、データの補正に関する分析を主に出生数と死亡数について行った。つぎに、具体的な分析については、阿部、葛西、河邉、そして中川が、人口都市化分析・都道府県を単位とした地域人口移動分析を引き続き進め、特に大正期から第二次大戦前の地域人口移動の変動パターンに新たな知見が加えられた。地域人口動態に関する分析については、井上が死亡の季節性の地域差に注目した分析を、高橋は、人口動態と移動との関連性に関する分析を行った。これらの分析との関連で、石川は日本における国際人口移動の分析に、そして廣嶋は世帯変動分析を進め、羽田野は、よりミクロな沖縄の人口変動分析を行い、全体的統括を高橋が行った。 以上のような分析の成果は、それぞれ所属の学会報告や学術雑誌に発表された。また、この研究の全体的成果を成果報告書にまとめつつある。さらに、平成15年6月開催予定の日本人口学会において、分析成果の報告を行う予定である。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] Takahashi, Shinichi: "Regional Variations Among Relationship between Fertility, Mortality Migration, and Environmental Changes in Thailand, National Institute of Population and Social Research"Sustainable Urbanization and Human and Environmental Security in Asia : Final Report, Population Research Series. No.304. 339-349 (2002)
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[Publications] 高橋眞一: "明治-大正期における地域人口の自然増加と移動の関連性"国民経済雑誌. 187巻4号. (2003)
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[Publications] Nakagawa, Satoshi: "Fertility decline and its regional context in Japan"Demographic Process and Structure in Japan, K. Kobayashi ed. 36-47 (2002)
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[Publications] 清水昌人, 中川聡史: "国際化による外国人の増加と都市の変化"『21世紀の地域問題』,小林浩二編,二宮書店. 61-90 (2002)
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[Publications] Nakagawa, Satoshi: "The long-term regional fertility disparity in Japan"Geographica Supplementum, Comenius University, Slovakia. No.3. (2003)
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[Publications] 廣嶋清志: "幕末石見天領の人口機構-単年次宗門改帳による観察"経済科学論集. 28. 1-25 (2002)
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[Publications] Abe, Takashi: "Recent Studies of Urban Geography in Japan-The collaboration between urban geography and urban planning with GIS-"Diversity of Urban Development and Urban Life, Kim Inn ed. Seoul National University Press. (2002)
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[Publications] 阿部隆: "大都市圏と非大都市圏との間の人口移動-東北地方を中心として-"統計. 54-2. (2003)
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[Publications] 有留順子, 石川義孝: "東京大都市圏におけるテレワークと分散型オフィスの立地"地理学評論. 76(1). 44-55 (2003)
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[Publications] 井上 孝: "途上国における女性の年齢別移動率の推移とその特徴"早瀬保子編著『途上国の人口移動とジェンダー』明石書店,190p. 33-61 (2002)
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[Publications] 荒井良雄, 川口太郎, 井上孝編: "日本の人口移動-ライフコースと地域性-"古今書院. 195 (2002)