2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12480028
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
宇田津 徹朗 宮崎大学, 農学部, 助教授 (00253807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 尚子 熊本大学, 文学部, 教授 (70169910)
藤原 宏志 宮崎大学, 農学部, 学長 (40040860)
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Keywords | プラント・オパール / 縄文時代 / 稲作伝播 / 水田 / はたけ / 熱帯ジャポニカ / 琉球列島 / 亜種判別 |
Research Abstract |
1.琉球列島、九州および台湾の遺跡から出土した土器と土壌の収集と分析 収集した土器胎土のプラント・オパール分析の結果、琉球列島については、以下の遺跡出土の土器および土壌からイネプラント・オパールを検出した。 石垣島:キダモリ遺跡、ピロースク遺跡、フルスト原遺跡 宮古島:住屋遺跡、砂川元島遺跡、根間西里遺跡 沖縄本島:伊佐前原第一遺跡 奄美大島:赤木名グスク この結果から、グスク時代には琉球列島全域で稲作が営まれていたことが明らかとなった。本年度は、さらにその広がりとグスクに先行する貝塚時代後期における稲作の検証を行うため、下記の遺跡について土器と土壌の収集と採取を行った。 沖縄本島:アンチ貝塚、名護屋部遺跡、平敷屋トウパル遺跡、喜如嘉貝塚、熱田貝塚 石垣島:白保カラ岳貝塚、富野岩陰遺跡、平川貝塚、大川東ノハカ遺跡、名蔵瓦窯遺跡、吹通第二貝塚 また、九州については、福岡市、久留米市に所在する以下の遺跡からの土器と土壌の収集と採取を行った。 福岡・久留米市:正福寺遺跡、西小路遺跡、津古土取遺跡 なお、台湾での試料採取は日程調整等の都合で、本年度は行わなかった。 2.プラント・オパール形状解析による中国在来イネと九州・沖縄の在来イネの比較 中国、江蘇省および浙江省に所在する在来イネ約100系統についてその機動細胞珪酸体(プラント・オパールの前身)を調査し、九州・沖縄の在来イネとの比較を行った。その結果、水田稲作適地に分布する在来イネの形状は、亜種判別の基準とする判別得点が2.0よりも小さい範囲に分布しているのに対し、畑作系譜の稲作の存在が考えられる九州・沖縄の在来イネの多くは2.0よりも大きな範囲に分布しており、両者の間に違いがあることが確認された。
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