2000 Fiscal Year Annual Research Report
コーパス言語学と英語教育学に基づくアメリカ憲法判例研究のためのESP辞書の開発
Project/Area Number |
12480056
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
鳥飼 慎一郎 立教大学, 法学部, 教授 (90180207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺内 一 高千穂商科大学, 商学部, 助教授 (50307146)
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Keywords | アメリカ憲法判例 / コーパス言語学 / ESP辞書 / 未知語 / 既知語 / 語彙リスト / word form / lemma |
Research Abstract |
2000年6月までに下されたアメリカ憲法判例14530判例すべてをダウンロードし、本研究に必要なデータをすべて収集し終えた。ダウンロードしたデータの総語数はおよそ9000万語である。アメリカ憲法判例で使用されている語彙および言語形式の歴史的変遷を検討するために、9000万語のデータのうち、最も古いアメリカ憲法判例から数えて最初の841978語、中間期の憲法判例である1910年からの憲法判例およそ100万語、直近の憲法判例およそ100語を抜き出し、当座の研究資料とした。 最古のアメリカ憲法判例841978語をデータに用い、これらの憲法判例を読解してゆくにはどれだけの語彙が必要かを、コンピュータを使ってシュミレーションしてみた。このシュミレーションでは、大学英語教育学会から出版されている『JACET基本語4000』を完全に習得していると仮定した者が、最古のアメリカ憲法判例を読解した場合に、判例で使用されている使用頻度5回以上の異語総数6623語およびそれらの使用語総数824999語のうち、どれだけの語彙が既知語となるのかを計算した。その結果、『JACET基本語4000』に収録されている3990語のうち、最古のアメリカ憲法判例で5回以上使用されている語は、2153語であり、word formベースの計算では、それらの総使用回数は649251回で、5回以上使用されている語彙の総使用回数の8割近くを占めることが判明した。また、レンマベースの計算では、この2153語で9割近くを占めることが判明した。さらに、わずか200のレンマを加えることで、33730語が未知語から既知語に変わることが判明した。この200のレンマこそが、アメリカ憲法判例を読むための辞書を作成上でのするための最重要語である。 『アメリカ憲法判例を読むためのESP辞書』をCD-ROM化した場合、どのような情報を各ウインドーに掲載し、それらをマルチウインドー化するのかのシュミレーションを行い、コーパス言語学に基づく辞書の雛型を作成した。
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[Publications] Terauchi,H.: "A Historical Perspective on ESP"Bi-Annual Report of JACET-SIG on ESP 1999 Review (1998,October-2000,March). 16-18 (2000)
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[Publications] Terauchi,H.: "Current Perspectives on English for Specific Purposes in Japan"高千穂論叢. 35・1. 58-72 (2000)
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[Publications] 寺内一: "「法律英語分析パターンの検証(I)-序章:法律英語の特徴と用例(資料研究)-」"高千穂論叢. 35・4. 188-224 (2001)
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[Publications] Terauchi,H.: "「ESPの定義」"Annual Report of JACET-SIG on ESP. 3. 70-78 (2001)
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[Publications] (編集)深山晶子,(総監修)野口ジュディー,(監修)寺内一,笹島茂,神前陽子: "ESPの理論と実践:21世紀の英語教育はこれだ"三修社. 194 (2000)