2002 Fiscal Year Annual Research Report
インターネットにおける教育実践情報の動向分析〜特に総合的な学習の時間の構想を中心に〜
Project/Area Number |
12480057
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Research Institution | NATIONAL INSTITUTE OF EDUCATIONAL POLICY RESEARCH |
Principal Investigator |
斎藤 道子 国立教育政策研究所, 教育研究情報センター, 総括研究官 (40162234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 孝 弘前大学, 教育学部, 教授 (90158452)
工藤 文三 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター, 総括研究官 (30231096)
山田 兼尚 国立教育政策研究所, 生涯学習政策研究部, 部長 (40000070)
澤田 利夫 東京理科大学, 理学部, 教授 (40000062)
有元 秀文 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター, 総括研究官 (40241228)
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Keywords | 総合的な学習の時間 / 自然体験 / 社会体験 / 生きる力 / 地域との連携 / 人材活用 / 教科との関連 / 探究学習 |
Research Abstract |
1各学校の特色ある「総合的な学習の時間」の指導案、指導計画、単元展開構想等、実践情報についてのデータを収集し、その内容の分類・解析を行った。 (1)インターネットを使って収集した情報は、国立教育政策研究所「文献・実践情報ホームページ」「総合的な学習らんど」「インターネットに紹介されている実践校」に収録し、2003年3月末、小中高校、養護学校、日本人学校を合わせて2,396校が掲載されている。それらの情報の内容を12分類して検索できるようになっている。当ホームページのアクセス数は、約40万件(2003年3月末)になり、このホームページは開設してほぼ4年目になるが、広く活用されている。 (2)インターネットに紹介されていない実践校については、国立教育政策研究所教育情報データベース「学校における教育実践研究主題」に収録されている学校のうち「総合学習」を行っている学校を、前出の「総合的な学習らんど」「インターネットに紹介されていない実践校」に追加し、950校が掲載されている。 (3)(1)で収集された情報を26の体験活動に分類し、その分類に基づいてWeb等によるアンケート調査を各学校に対して行った。前出のホームページにおいて体験活動で分類して検索できるようになっている。 (4)「総合的な学習の時間」が今年度から本格的に導入され一学期が過ぎた時期に、インターネットに紹介されている学校に対して、実施状況を把握するための調査と各学校おいて実践されている指導計画、単元展開構想等を収集し、データは「総合的な学習らんど」「指導計画、単元展開の構想等II小学校、中学校」に掲載して、全国の教員が相互に情報を交換できる場を提供した。 21年間の研究を振り返ってみると、「総合的な学習の時間」について学校の実態に即して創意工夫をしているが、しかし、多様な課題があることも明らかになった。たとえば、学習課題づくりが難しい、外部施設・人材活用が実際はたいへん、細かい指導・支援体制が不十分、評価の視点・方法があいまい、生徒個人の既得の学力・能力に差がある、教師間の情報の共有化が不十分、学校外活動の安全管理など上げられる。総合的な学習における学習課題や学習内容に関しては、体験だけで終わるのではなく、関連教科がわかるようにして、全教科を見渡してクロスカリキュラムで取り組む傾向に増えてきている。総合的な学習の場としては、児童・生徒の発案を教師が指導・支援によって開発しなければならない。 3本年度は、ホームページ「総合的な学習らんど」収録されている実践情報、「総合的な学習の時間」に関する実施状況調査の結果を解析し、丁総合的な学習の時間」が当面している教育課題について、最終報告書にまとめる。
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