2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12480091
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
三宅 なほみ 中京大学, 情報科学部, 教授 (00174144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 秀美 中京大学, 情報科学部, 講師 (60204054)
土屋 孝文 中京大学, 情報科学部, 講師 (10227431)
三宅 芳雄 中京大学, 情報科学部, 教授 (80099910)
白水 始 中京大学, 情報科学部, 助手 (60333168)
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Keywords | 協調学習支援 / ノート共有システム / 内省支援 / 認知過程の履歴利用 / 相互リンク |
Research Abstract |
本研究では「認知科学」を対象として、大学での質の高い学習を促進する協調学習支援環境を実践的に実現した。カリキュラムの基本形は、課題を中心に学習者が自分で調べたことを互いに発表し合い、クラスで総合的に一つの課題を解決するような協調的な学習である。協調学習支援システムとしては、教材を再吟味するための掲示板システム、自分から質問したり質問に答えたりすることによって学ぶ対話型ヘルプシステム、学生同士考えていることや調べて分かったことを共有しそれらを統合的に考えるための総合的なノートシステムを開発し、実際大学の授業で使用してその効果を検証した。 本年度の成果としては認知科学の基礎的な授業群のうち、特に2、3年生を対象とした「認知科学概論」「認知科学研究法演習」「応用統計学」(担当:三宅なほみ、三宅芳雄、白水始)において、学生一人一人が各自選んだ資料に精通し、その資料を核として互いに相手の理解を取り込んで知識を構成する新しい方略を考案、実施した。これによって学生各自のレベルに応じた取り組みが可能になり、成果の変動幅は大きくなったものの全体として昨年度に比して理解度が深まっている。プログラミングの学習(担当:三宅芳雄、土屋孝文)については習熟段階をこれまでより細かく分けて個別に詳しい学習プロセスデータを取り、理解レベルに合った対処方法を工夫したところ、こちらも過年度に比してクラス全体の到達度が上がってきている。 ネット上で交換される学生-教師の質疑や話合い、ネット上から入手可能な教材などを統合的に管理し学生が必要とする情報を必要に応じて提供する自律型教材開発システム(担当:土屋孝文)、ネットワーク上から入手した情報やアイディアの記録を相互参照可能な形で統合的に記録するシステム(担当:三宅芳雄)については安定した動作が確保できるようになり、授業中での利用も定着しつつある。
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[Publications] 三宅なほみ, 三宅芳雄, 白水始: "学習科学と認知科学"認知科学. 9・3. 328-337 (2002)
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[Publications] 三宅なほみ: "大島他論文へのコメント"認知科学. 9・3. 424-428 (2002)
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[Publications] 三宅なほみ, 白水始: "鈴木他論文へのコメント2"認知科学. 9・3. 400-403 (2002)
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[Publications] Shirouzu, H., Miyake, N., Masukawa, H.: "Cognitively active externalization for situated reflection"Cognitive Science. 26・4. 469-501 (2002)
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[Publications] 三宅芳雄: "鈴木他論文へのコメント1"認知科学. 9・3. 398-399 (2002)
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[Publications] Miyake, N., Masukawa, H., Yuasa, K., Shirouzu, H.: "Intentional integration supported by collaborative reflection"Proceedings of CSCL 2002. 605-606 (2002)
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[Publications] Miyake, N., Shirouzu, H.: "Cognitive flexibility gained through collaborative reflection on cognitive traces"American Educational Research Association, 2002. (2002)
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[Publications] Miyake, N., Shirouzu, H.: "Understanding and scaffolding constructive collaboration"Proceedings of the 24th Annual Conference of the Cognitive Science Society. 48 (2002)
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[Publications] Miyake, N., Shirouzu, H.: "Concurrent and retrospective talk as an assessment tool for complex learning"Proceedings of International Conference of the Learning Sciences. 645-646 (2002)
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[Publications] 土屋孝文, 村瀬直樹, 鈴木健志: "具体的な問題解決からの知識獲得と協調学習支援:ピクトグラム設計問題を通して"日本認知科学会第19回大会発表論文集. 234-235 (2002)
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[Publications] Ogasawara, H., Ohno, T.: "Strategies and eye movement of an expert in a videogame"Proceedings of the 24th Annual Conference of the Cognitive Science Society. 1026 (2002)
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[Publications] Koschmann, T., Hall, R., Miyake, N.: "CSCL2: Carrying forward the conversation"LEA, Mahwah, NJ. 568 (2002)
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[Publications] 三宅なほみ: "学習における協調,波多野誼余夫,永野重史,大浦容子(編),『教授・学習過程論』,第10章"放送大学教育振興会. 10 (2002)
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[Publications] 三宅なほみ: "学習環境のデザイン,波多野誼余夫,永野重史,大浦容子(編),『教授、学習過程論』,第11章"放送大学教育振興会. 12 (2002)
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[Publications] 三宅なほみ, 白水始: "学習科学とテクノロジ"放送大学教育振興会(印刷中). 214 (2002)