2001 Fiscal Year Annual Research Report
ディジタル放送環境における放送データの効率的な送受信方式に関する研究
Project/Area Number |
12480095
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
塚本 昌彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60273588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 隆浩 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20294043)
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Keywords | ディジタル放送 / プッシュ型配送 / データ相関性 / スケジューリング方式 / キャッシング方式 / 放送フィルタリング |
Research Abstract |
2年計画の本研究の最終年度となる今年度は,前年度で考案した放送データのスケジューリング方式およびキャッシング方式に基づいて,プロトタイプシステムの実装を行い,その動作確認を行った.その結果,明らかとなったいくつかの技術課題を解決するために,考案手法の改良を行った.具体的には,クライアントが相関性をもつ複数のデータ項目に対して,時間間隔をおいてアクセス要求を発生することが多いことに着目して,相関性の強さとアクセス要求発生の時間間隔を考慮するように考案方式を拡張した. さらに,クライアントにおいて,膨大な量の放送データから必要なデータのみを効率的に受信する方法論について,二つの側面から強力に研究開発を推進した.まず,データ受信時に必要なデータのみを効率的にフィルタリングするための数学的基盤として,フィルタリングの関数的性質や,関数間の関係について考察を行った.次に,フィルタリングを効率よく実行するためのシステム基盤として,あらかじめ定義したルールに基づいて受信データの取捨選択や加工を行うアクティブデータベースシステムを開発した. また,放送データがビデオ映像や音声データなどの連続メディアデータである場合を想定して,クライアントがこれらを途切れることなく,かつ,短い応答時間で受信することが可能な放送データのスケジューリング方式を考案した. 最終的には,以上のような研究成果を統合し実システム上に実現して,十分な運用評価を行うことが目的であったが,残念ながらそこまでには至らなかった.しかし,本研究で得られた個々の研究成果を取りまとめたものは,国際学会の論文誌を始めとする様々な分野でその重要性が見とめられ,高い評価を受けている.したがって,これらの研究成果は,将来のディジタル放送環境において,膨大な量の放送データを効率的に送受信するための核技術となりうることを確信する.
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Research Products
(9 results)
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[Publications] E.Yajima, T.Hara, M.Tsukamoto, S.Nishio: "Scheduling Strategies of Correlated Data in Push-Based Systerms"Information Systems and Operational Research (INFOR). 39・2. 152-173 (2001)
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[Publications] E.Yajima, T.Hara, M.Tsukamoto, S.Nishio: "Scheduling and Caching Strategies of Correlated Data in Push-Based Systems"ACM Applied Computing Review (ACMACR). 9・1. 22-28 (2001)
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[Publications] 内田 渉, 原 隆浩, 塚本昌彦, 矢島脱子, 西尾 章治郎: "データの相関性とアクセス頻度を考慮した放送スケジューリング"情報処理学会論文誌:データベース. (掲載予定). (2002)
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[Publications] T.Terada, M.Tsukamoto, S.Nishio: "Active GIS : A Geographic Information System Using Active Database Systems"Proc.of Symposium on Asia GIS 2001. (CD-ROM). (2001)
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[Publications] R.Sawai, M.Tsukamoto, Y.-H.Loh, T.Terada, S.Nishio: "Functional Properties of Information Filtering"Proc.of Int'l Conf. on Very Large Data Bases (VLDB2001). 511-520 (2001)
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[Publications] W.Uchida, T.Hara, E.Yajima, S.Nishio: "Broadcast Scheduling of Correlated Data Considering Access Frequency in Push-based Systems"Proc.of IASTED Int'l Conf.on Advances in Communications (AIC 2001). 150-155 (2001)
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[Publications] 澤井里枝, 塚本昌彦, 寺田努, Loh Yin Huei, 西尾章治郎: "フィルタリング関数におけるセレクションとランキングの性質について"情報処理学会データベースとWeb情報システムに関するシンポジウム(DBWeb2001)論文集. 277-284 (2001)
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[Publications] 内田 渉, 原 隆浩, 西尾章治郎: "アクセス要求の発生間隔とアクセス頻度を考慮した相関データの放送スケジューリング"電子情報通信学会データ工学ワークショップ. (電子出版). (2002)
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[Publications] 義久智樹, 塚本昌彦, 西尾章治郎: "放送時間と再生時間を考慮した連続メディア放送のスケジューリング手法"電子情報通信学会データ工学ワークショップ. (電子出版). (2002)