2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12480103
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
腰塚 武志 筑波大学, 副学長 (50011094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 勉 筑波大学, 社会工学系, 講師 (00282327)
大澤 義明 筑波大学, 社会工学系, 助教授 (50183760)
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Keywords | 移動 / 時間分布 / 距離分布 / 一様な直線 / 国勢調査 |
Research Abstract |
都市空間における移動の「時間分布」を求めるために,本年度の課題は以下の2つであった. 1)4次元の多面体の容量を効率的に計算するアルゴリズムの開発 2)一様な直線を介しての計算方法 結果としては上記2)に関して研究が進展した.まず,市区町村のような不定形の領域における「距離分布」を,一様な直線を介して数値的に厳密に求めるアルゴリズムを開発した.もっと詳しく述べると,不定形領域内部で発生・集中するような移動についてそれらの移動距離の分布を厳密に求めるアルゴリズムを作製したことになる.さらにこの方法を応用することで,相異的な2つの不定形を出発地・到着地とする移動の距離分布をも計算することができた. この数値計算アルゴリズムは,領域内に密に打った点間の距離を計算する従来の数値計算方法に比べて,格段に高効率に距離分布を計算できる手法である.実際に,理論式によって陽に距離分布が求められる数少ない例(円や長方形)について,式で表される真の分布と従来方法および一様な直線を用いた方法で数値的に求めた分布を比較すると,従来方法では尤もらしい分布を得るには非常に多くの計算量を要するのに対し,一様な直線を用いた方法はある程度密に一様な直線を分布させれば,真の分布とほとんど差違が認められないことがわかった. この数値計算方法を用い,実際例として東京23区内の移動を分析した.各区内々の移動およびあらゆる"区どうし"の(幾何学的)距離分布を,国勢調査で集計されている現実の移動量データを用いて総移動量を調整することで,東京区内における移動の距離分布をきれいな形で求めることができた.この結果は,交通機関の利用実態などを併せて考慮することで,都市内の移動時間分布の推定に展望を開くものである.また求められた距離分布は予想に反して滑らかで単純であり,今後,理論と実証の両側面の展開に稔り豊かなものが予想される.
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Research Products
(12 results)
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[Publications] 腰塚武志(共著): "Evaluation of zone orderings based on the correlations of order-differences and distances."Geographical Analysis. 32(1). 173-185 (2000)
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[Publications] 腰塚武志(共著): "新宿高層ビル群における移動時間分布"日本都市計画学会平成12年度論文集. 1003-1008 (2000)
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[Publications] 腰塚武志(共著): "道路網上の距離分布と流動分布に関する基礎的研究"日本都市計画学会平成12年度論文集. 1021-1026 (2000)
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[Publications] 腰塚武志(共著): "急行エレベータの評価移動時間と交通面積"日本オぺレーションズ・リサーチ学会秋季研究発表会アブストラクト集. 230-231 (2000)
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[Publications] 腰塚武志(共著): "ネットワーク上の道路距離と直線距離"日本オペレーションズ・リサーチ学会秋季研究発表会アブストラクト集. 234-235 (2000)
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[Publications] 腰塚武志(共著): "マラソンコース形状の評価"日本オペレーションズ・リサーチ学会秋季研究発表会アブストラクト集. 62-63 (2000)
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[Publications] 大澤義明: "Cross-border shopping and commodity tax competition among governments."Regional Science and Urban Economics. 29(1). 33-51 (1999)
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[Publications] 大澤義明: "A geometrical solution for quadratic bicriteria location models."European Journal of Operational Research. 114(2). 166-174 (1999)
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[Publications] 大澤義明: "Bicriteria Euclidean location associated with maximin and minimax criteria."Naval Research Logistics. 47(7). 581-592 (2000)
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[Publications] 鈴木勉: "p-メディアン問題における規模密度法則の成立性"日本建築学会計画系論文集. No.532. 171-176 (2000)
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[Publications] 鈴木勉(共著): "周遊距離を用いたVoronoi図"日本オぺレーションズ・リサーチ学会秋季研究発表会アブストラクト集. 74-75 (2000)
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[Publications] 鈴木勉(共著): "周遊距離Voronoi図とそれを用いた商業立地分析(掲載予定)"日本応用数理学会論文誌. Vol.11,No.1. (2001)