2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12480104
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅見 泰司 東京大学, 空間情報科学研究センター, 教授 (10192949)
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Keywords | 住環境 / ヘドニックモデル / 戸建住宅 / 価格 / 空間影響 / GIS / 不動産 / 容積率 |
Research Abstract |
3年度めにあたる平成14年度は主として、戸建住宅の価格に影響を与える住環境要素モデルの精緻化を空間影響の効果を探りつつ行った。高・浅見(2002)では、ヘドニック分析を行う過程でのモデルを改善するための新たな手法について考察した。具体的には、ヘドニック分析に含めるべき隠れた変数を見つける方法として、残差分析と地理的重み付き回帰(GWR)の2つについて検討し、その特質を明らかにした。残差分析の結果を地図上に等高線図で表現することで、新たな空間影響候補を明らかにすることができる。また、GWRは説明したい地点に近い地点のデータのサンプルを意図的に重視した回帰方法である。その結果、地点ごとに異なる係数を得ることができる。これと新たな候補の変数との相関分析によって、ヘドニック回帰式に組み込むべき変数を絞り込むことができる。 また、浅見・高(2002)では、戸建敷地の形状によるセットバックの効果を分析した。セットバックにより、敷地面積の減少および利用可能容積率の増大が得られる。一般には敷地面積が大きい方がセットバックによる便益が大きいが、狭小な敷地の場合には、さらに、セットバックにより相対的に形状が大きく変化することにより敷地の有効利用性が大きく変化してしまうことがありうる。その結果、容積率緩和があっても道路拡幅の動機が発生しない領域が拡大してしまう。その効果を敷地の形状によって異なることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 高暁路, 浅見泰司: "市場学方法与城市規則研究"城市規則. 26(5). 6-13 (2002)
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[Publications] 高暁路, 浅見泰司: "戸建住宅の価格形成に関する空間影響の探索"住宅土地経済. 44. 10-21 (2002)
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[Publications] 浅見泰司: "住環境のマネジメント"住宅. 51(12). 3-7 (2002)
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[Publications] 浅見泰司: "不動産GISと不動産評価」田中啓一(編)『都市と環境の公共政策:日本経済再生に向けて』"中央経済社. 155-163 (2002)
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[Publications] 浅見泰司, 高暁路: "「都市計画と不動産市場:住宅価格を左右する住環境」西村清彦(編)『不動産市場の経済分析:情報・税制・都市計画と地価』"日本経済新聞社. 129-150 (2002)
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[Publications] Asami, Y., X. Gao: ""Mini Detached Houses on Small Lots in Metropolitan Areas in Japan" Ian Douglas and Shu-li Huang (eds.) Urbanization, East Asia and Habitat II, UN NGO Policy Series No.2"Chung-Hua Institution for Economic Research. 179-199 (2002)