2001 Fiscal Year Annual Research Report
異常ドップラー効果による遅波サイクロトロンメーザの研究
Project/Area Number |
12480116
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小椋 一夫 新潟大学, 工学部, 教授 (40214093)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 聡 新潟大学, 工学部, 助教授 (70293199)
板垣 厚一 新潟大学, 工学部, 教授 (10018484)
|
Keywords | 異常ドップラー効果 / 遅波サイクロトロンメーザ / チェレンコフ発振 / 冷陰極 / 遅波導波管 / マイクロ波 / Kバンド / Qバンド |
Research Abstract |
平成13年度の研究実績を以下にまとめる。 (1)大電流電子ビーム発生実験と磁場による電子ビーム制御 新たに磁場コイル3個を加えた合計10個の磁場コイルを使用した磁場システムを構築した。磁場コイルの電流分布と磁場配位の関係を定量的に調べ,軸方向414mm,半径方向60mmの範囲で変化率5%以内の磁場が得られた。この磁場による制御により,高真空状態において,50kV, 100A程度の電子ビームを360mm以上伝搬させることができた。冷陰極部には,ガスを充填する予定であったが,磁場による制御には不適切であった。 (2)遅波サイクロトロンメーザの基礎的研究 開発した電子ビーム源と磁場による電子ビーム制御を用い,遅波サイクロトロンメーザの基礎実験を行った。電子ビームパラメータの測定系,マイクロ波測定系を整備し,マイクロ波実験を行った。ピーム径を大きくして遅波導波管管壁近を伝搬させると強いチェレンコフ発振が得られた。発振周波数帯は,Kバンドに加えQバンドでの発振に成功した。発振モードは軸対称TMモードのみでは説明できなかった。ビーム径を小さくするとチェレンコフ発振は弱くなり,マイクロ波出力に磁場依存性が観測された。また,遅波サイクロトロンメーザ動作を解析するための計算プログラムを開発した(米国の雑誌Phys. Rev. Eに論文として掲載された)。 上記のように,ほぼ予定通りに研究は進んだ。(2)のマイクロ波出力の磁場依存は,遅波サイクロトロンメーザ動作である可能性があるが,発振モードの特定などさらに詳しい実験が必要である。また,本年度のマイクロ波測定系整備は,Kバンドに重点を置いたが,Qバンドの測定系も整備する必要がある。
|