2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12480131
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
直井 勝彦 東京農工大学, 工学部, 助教授 (70192664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇恵 誠 三菱化学(筑波研究所), 主任研究員
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Keywords | 二次電池負極材料 / リチウム金属 / イミド電解質 / ポリエーテル添加剤 / 水晶振動子マイクロバランス法 |
Research Abstract |
本研究は、リチウム金属負極の高効率化に関して、1、新規イミド系電解質による負極界面の制御、および添加剤として2、ポリエーテル系界面活性剤による界面制御という2つのアプローチを行った。 1、新規イミド系電解質 イミド電解質(LiBETI)がリチウム金属界面に与える効果を、リチウム析出溶解の活性化エネルギー(Ea)より評価した。Eaは微小電極によるサイクリックボルタンメトリー(CV)(25,35,45,55℃)から求めた。EaはLiBETI系でca.43kJ mol^<-1>、LiPF_6系でca.89kJ mol^<-1>、LiClO_4系でca.82kJ mol^<-1>となった。これよりLiBETI系のEaは他の系と比較して小さくリチウムの析出溶解を容易にしていることが推察される。 2、ポリエーテル系界面活性剤 ポリエチレングリコールジメチルエーテル[PEGDME,CH_3O-(CH_2CH_2O)_n-CH_3]の分子量(エチレンオキシド鎖)の違いが界面改質効果に及ぼす影響について水晶振動子マイクロバランス(QCM)法により検討した結果、分子量178〜2000(n=3〜44)のPEGDMEにおいて界面改質の効果が観察され、分子量90(n=1)の場合には効果がなかった。n=3〜44のPEGDMEの場合、表面膜の組成は、PEGDMEの分子量に依存せず、170gmol^<-1>程度の化合物(例えばCH_3O-(CH_2CH_2O)_2-(CH_2CH_2OLi)であることが示唆された。このことから、PEGDMEによる界面改質効果は、イオン伝導性のポリエーテル鎖が膜中に取り込まれているときに観察され、ポリエーテルの一部がリチウム金属上の膜を安定化させていると考えられる。
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