2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12480134
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
塩川 佳伸 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (50111307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 徳新 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (40281985)
山村 朝雄 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20281983)
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Keywords | ディスプロシウム / ツリウム / アメリシウム / 金属調製 / 水溶液電解 |
Research Abstract |
乾式再処理法では、使用済燃料中のアクチナイドは電気化学的、冶金的に金属や合金の形で分離・回収されるが、アクチナイド金属系の研究基盤は必ずしも十分でなく、その研究を海外に頼ることも少なくないのが現状である。この新しい技術を真の意味で確立し安全性を担保していくためには、超ウラン元素の金属の基礎的研究を含めた経験や実績の積み重ねが不可欠であろう。特に、使用済み燃料に含まれるAmの量はNpとほぼ同じであり、また金属間化合物の形成能などの金属としての性質がAm,CmとU,Np,Puとでは大きく異なるため、研究例の少ないAm金属等の基礎研究は乾式再処理技術の確立に重要であり、そのためにはAm金属等の簡便な調製法の開発が必要である。 我々は水溶液電解法によるU,Np,La,Ceの金属調製法を開発してきた。これは、水銀陰極を用いた金属水溶液の電解によって水銀合金を合成し、高温・真空中で熱分解によって金属を得る方法である。しかし、開発してきた水溶液電解法では製品中の水銀含有量を数ppm以下にするためには約1250℃の熱分解温度が必要であり、この温度で数torr程度の蒸気圧をもつAmの金属調製は困難である。 本研究の目的は、これまでの水銀合金の熱分解法を改良して、蒸気圧の高いAmにも適用できる簡便な高純度金属調製法を、Amと同程度の蒸気圧をもつDyとTmを用いて開発することにある。 DyとTmの水溶液電解によるアマルガム化はpHが4〜5程度の酢酸緩衝溶液中で定量的に行えることが判明したが、この水溶液の液性はU,Np,La,CeがpHが3程度で定量的にアマルガム化ことと比較すると大きな違いが認められる。一方、Amのアマルガム化はpH3程度で定量的に進行するこどが判明した。Dy0.854gと水銀135gを含むDyの水銀合金の熱分解について検討した結果、約1日間250℃加熱することによって、水銀量は3mgに、Dy量は0.463gなった。この結果から、Dy量の減少については今後検討を要するが、水銀からDyを分離できることが判明し、Am金属調製にある程度の見通しが得られた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Shiokawa,H.Yamana,H.Moriyama: "An application of actinide elements for a redox flow battery"J.Nucl.Sci.Technol.. 37(3). 253-256 (2000)
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[Publications] T.Yamanura,Y-Y.Park,H.Tomiyasu: "Photochemistry of uranyl(VI) ion"Recent Research Developments in Photochemistry & Photobiology. 4. 161-183 (2000)
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[Publications] A.Kimura,DX.Li,Y.Shiokawa: "Spin glass behavior in single crystalline U_2PtSi_3 "Physica B,2818282 . 2818.282. 247-248 (2000)
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[Publications] 李徳新,塩川佳伸: "三元系ウラン化合物U_2TSi_3(T=遷移元素)におけるスピングラス現象"物性研究. 10. 77-80 (2000)