2000 Fiscal Year Annual Research Report
高荷電微粒子生成用イオン源開発及び超高速微粒子の衝突現象の解明
Project/Area Number |
12480135
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴田 裕実 東京大学, 原子力研究総合センター, 助教授 (30216014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 晶 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (10183823)
岩井 岳夫 東京大学, 原子力研究総合センター, 助手 (30272529)
小林 紘一 東京大学, 原子力研究総合センター, 助教授 (70108637)
矢野 創 宇宙科学研究所, 助手 (00321571)
杉田 精司 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (80313203)
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Keywords | 微粒子 / ダスト / 星間塵 / 微粒子イオン源 / 超高速衝突 / バン・デ・グラーフ加速器 / 静電加速器 |
Research Abstract |
微粒子(この研究では直径0.1 1μmの粒子を扱う)を高エネルギー加速器で加速して数km/sから100km/sの速度にした後、種々の材料(金属、セラミックスや高分子)と衝突させ、その時に起こる現象を調べて見ようというのがこの研究の目的である。微粒子が固体に衝突した際にはプラズマ状態になることや衝撃波を生じたりすることで、普通のイオンやクラスター衝突と違った現象を引き起こし、新たな材料開発の場を提供するものと考えられる。更に、微粒子と固体との衝突現象を解明することは今、問題になっているスペース・デブリの研究とも密接に関連しており、早急に研究を行う必要がある。そのためには現在あるものよりも大きな電荷を持った微粒子を多量に生成する微粒子イオン源や超高速に加速された微粒子の電荷と速度を計測する機器を開発しなければならない。しかるに12年度の交付が10月に内定したので、イオン源、機器の開発は本年度当初の計画よりずれが生じ、衝突シミュレーション用チャンバー、マニュピレータの製作にとどまった。 一方、衝突実験では、バン・デ・グラーフ加速器、100kV加速器等の静電加速器や軽ガス銃を用いてミクロン微粒子をピエゾ素子に衝突させ衝撃波や発光を測定する実験が行われ、現在、そのデータを解析中である。この素子をBepi Colomboという衛星に搭載し宇宙塵観測に用いるプロポーザルが提出され、その開発のための実験が急がれており、微粒子衝突現象を解明することが開発用の基礎データを提供する上で肝要となっている。また、これまで実験が進められてきた飛行時間(TOF)型質量分析器による微粒子衝突による2次イオン生成現象の解明も、リフレクトロン型TOF質量分析器の導入により、従来よりも高質量分解能での研究が可能となり新たな展開が始まったところである。 これまでの微粒子イオン源は導電体の微粒子にしか適用できず、絶縁体のイオン化が困難であったので、平成13年度には絶縁体も安定にイオン化できる新型の微粒子イオン源を開発し、加速器に搭載する予定である。これらの開発に当たっては低速微粒子イオン加速器(30kV)や平成11年度に設置された静電加速器(100kV)でテストを行うと共に低速・高速での衝突実験を行う。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Shibata,K.Kobayashi,T.Iwai, 他8名: "Microparticle acceleration by a Van de Graaff accelerator and application to space and material sciences"Radation Physics and Chemistry. (印刷中). (2001)
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[Publications] S.Hasegawa,Y.Hamabe,H.Yano, 他8名: "Microparticle acceleration for hypervelocity experiments by a 3.75 MV Van de Graaff accelerator and a 100kV electrostaic accelerator in Japan"International Journal of Impact Engineering. (印刷中). (2001)