2000 Fiscal Year Annual Research Report
重イオン注入による埋め込み型ナノクリスタルの合成と高効率ルミネセンス機能の安定化
Project/Area Number |
12480138
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今西 信嗣 京都大学, 工学研究科, 教授 (10027138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 誠 京都大学, 工学研究科, 助手 (60263117)
伊藤 秋男 京都大学, 工学研究科, 教授 (90243055)
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Keywords | ナノクリスタル / ルミネセンス / 重イオン注入 / 水素挙動 / 量子ドット / アニーリング / SiO_2 / Si |
Research Abstract |
本研究課題では、高速重イオンを誘電体に注入し、過固溶状態を形成した後、アニーリング処理により誘電体内に1-10nmの微小単結晶を合成する。このナノクリスタルはいわゆる量子ドットとしての機能を有することから、フォトルミネセンスあるいはエレクトロルミネセンスとしての安定した性能を実現する。あわせて、重イオン注入ナノクリスタル合成の基本的な機構の解明、ならびにルミネセンス発現にかかわる結晶界面の量子状態の特定を行い、光デバイスとしての応用技術の展開や固体内放射線誘起基礎過程の解明に資する。 本年度はまず、実験装置、手法、結晶界面における水素の挙動、シミュレーション予測など基盤固めを行った。 (1)Si、Ge、Agなどの重イオンをSiO_2など誘電体酸化物に注入し、そののちアニーリング処理を行い、ナノクリスタルを誘電体内に成長させるため、既存の超高真空槽を改造し、超高真空中での注入時あるいはガス雰囲気中でのアニーリング時に試料温度を1500℃までプログラム制御できるようにした。また、既存の高電圧イオン注入器を改造し、イオン電流をプログラム制御できるようにした。 (2)ルミネセンス発現には結晶界面の量子状態が重要であり、水素が少なからぬ役割を果たすことから、まず、SiO_2/Si中での水素挙動を実験的に調べた。 (3)イオン種、注入線量、アニーリング処理温度、時間などを系統的に変えてシミュレーション解析を行い、ナノクリスタルの合成にいたる最適条件を調べた。 得られた結果はさらに検討を加えたのちまとめて公表する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 今西信嗣: "Effects of Added Elements on Hydrogen Behavior in Metals"Journal of Plasma Fusion Research. (In press).
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[Publications] 今西信嗣: "Effects of Implanted Silicon on Hydrogen Behavior in Aluminum and Nickel "Nuclear Instruments and Methods B. 161-163. 401-405 (2000)