2000 Fiscal Year Annual Research Report
リガンド非依存性CYP1A1誘導発現に関与する新しい遺伝子座のクローニング
Project/Area Number |
12480153
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菊池 英明 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (60006111)
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Keywords | CYP1A1 / リガンド非依存性 / Ahレセプター / ベンズイミダゾール / 細胞融合 |
Research Abstract |
環境汚染物質の中でも、石炭や石油の年少反応から生成する芳香属炭化水素系の化学物質は、生体内に取り込まれ、チトクロームP-450 1A1(CYP1A1)を含む電子伝達系を介して代謝活性化され、初めてDNAと結合できる誘導体となり、DNAの塩基に付加体を形成し、変異原性を示すようになる。また、CYP1A1は通常発現しておらず、ダイオキシンや誘導物質が生体の中に取り込まれると、各種の臓器で誘導発現されるようになる。我々のグループは、ベンズイミダゾール化合物によるリガンド非依存性のAhレセプターの活性化による新しいCYP1A1誘導機構を見い出し明らかにしてきた。 ベンズイミダゾール化合物によるCYP1A1の誘導は、ヒトHepG2細胞では起こるが、マウスHepa1細胞では起こらないという現象を利用して、マウスHepa1細胞とヒトHepG2細胞との融合細胞を作製することによりヒト遺伝子座の同定を行った。ヒト-マウス融合細胞の中から、ベンズイミダゾール化合物によってCYP1A1の誘導がかかる細胞、即ちヒト型の表現型を示す細胞を単離することができた。このことは、リガンド非依存性のAhレセプターの活性化に関与するヒト遺伝子はマウス細胞の中でも優性に働くことを示している。さらに、このヒト型表現型融合細胞を長期間培養すると、ベンズイミダゾール化合物によるリガンド非依存性Ahレセプター活性化の形質は消失していったが、この変化共にヒト染色体10番が失われていることが明らかになり、当該遺伝子座は10番染色体に存在すると結論付けられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kikuchi,H. et.al.: "NADPH oxidase subunit, gp91 phox homologue, preferentially expressed in human colon epitherial cells."Gene. 254. 237-243 (2000)
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[Publications] Kikuchi,H. et.al.: "Presence of omeprazole-sensitive gene product which is responsible for CYP1A1 induction in human HepG2 cells."Drug Metabolism Reviews,. 32. 69-69 (2000)
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[Publications] 菊池英明: "リガンド非依存性のAhレセプター活性化機構"生化学. 72(2). 194-198 (2000)
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[Publications] Kikuchi,H. et.al.: "Method for evaluation of immunotoxicity of dioxin compounds using human T-lymphoblastic cell line, L-MAT."Chemosphere. (in press).
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[Publications] Hossain,A. et.al.: "Mechanism of TCDD-mediated apoptosis in human T-lymphoblastic cell lines."Organohalogen Compounds. 42. 417-420 (1999)
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[Publications] Endo,Y. et.al.: "Enhancement by galactosamine of lipopolysaccharide (LPS)-induced tumour necrosis fantor production and lethality : its suppression by LPS pretreatme"Br.J.Pharmacol.. 128. 5-12 (1999)