2000 Fiscal Year Annual Research Report
土壤地下水汚染における修復技術選択のための調査・数値シミュレーション技術の開発
Project/Area Number |
12480159
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
古市 徹 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90127134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺尾 康 (株)クボタ, 環境研究部, 課長
石井 一英 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70292050)
東海 明宏 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90207522)
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Keywords | 土壌・地下水汚染 / 地形・地質構造 / 数値シミュレーション / 修復対策 |
Research Abstract |
近年、廃棄物の不法投棄や不適正最終処分場が原因の土壌・地下水汚染が大きな社会問題となっている。このような汚染を効率的に修復するためには、十分な調査により汚染を把握し、適切な修復技術を適用することが重要である。しかし、汚染を評価し修復技術を選択するための選択原理は無いのが現状であり、一部の専門家の経験や知識に基づいて行われているのが実状である。そこで、本研究の1年目は、地形・地質構造のパターン化を行うことで調査や修復技術の選択を行うための作業仮説を構築できるのではないかと考え、地形・地質構造のモデル化手法の構築を試みた。また、その手法を実際の不法投棄現場に適用し、本手法の有効性を確かめることを研究目的とした。なお、本研究で用いる作業仮説とは、既存情報を基に構築される地形・地質構造のモデルとそのモデルを基に構築される数学モデルのことであり、数学モデルによる解析の結果、目に見える形で汚染拡散に関する作業仮説の結果を与えることができ、リスク評価のための基礎情報となる。地形・地質構造のモデル化手法の構築では、従来の地質学の分類とは異なり、地下水流れと汚染拡散経路が明確になるように新たに地形の区分を行った。同様に、地質の区分では、(1)岩盤、(2)堆積物、(3)岩盤と堆積物の位置関係という観点から区分すれば、地下水流れに関してパターン化できると考えられた。そして、例えば(2)の堆積物の場合、河成堆積物、海成堆積物、湖成堆積物となり、これを(1)(2)(3)それぞれの要素に対してパターン化を行った。以上の様な、典型的な地形・地質構造のパターン化により、地形図、地質構造図、現場踏査などによって得られた既存情報を基に、汚染現場における概略的な地形・地質モデルを構築できることを示した。また、本手法を実際の不法投棄現場に適用したところ・概略的な地形・地質構造のモデルを構築することができ、汚染拡散経路を推定することができた。またその地形・地質モデルを基にした数値シミュレーションにより汚染拡散の予測ができ、この予測を実証するための次段階の調査項目について提案することができた。
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