2002 Fiscal Year Annual Research Report
鉄電解による水中硝酸・亜硝酸イオン促進還元技術(ARP)の開発
Project/Area Number |
12480161
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
藤江 幸一 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (30134836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大門 裕之 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (60335106)
後藤 尚弘 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (50303706)
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Keywords | 無機系窒素排水 / 金属鉄 / 硝酸 / 不溶性電極 / 鉄電極 / 硝酸還元速度 / 次亜塩素酸 / 促進還元技術 |
Research Abstract |
無機系の高濃度硝酸性窒素排水の処理には有機物の添加を必要としない化学還元法の利用が期待されている。本研究では、鉄粉と電解処理によるNO_3^-還元に着目して新規処理技術の開発研究を実施してきた。これまでに、NO_3^-還元能力を有する鉄粉による電解と鉄及び不溶性電極による電解、さらに食塩電解によって生成するClO^-による酸化を組み合わせることによりNO_3^-除去反応を促進することが可能であることを明らかにしてきたが、NO_3^-還元時の電子効率と反応速度が低いという課題が残されている。そこで電解処理によるNO_3^-還元の促進を目的として添加する金属(Fe^<2+>,Cu^<2+>)の影響を評価した。 Fe^<2+>を添加した場合は、NO_3^-の還元によるNH_4^+が生成した。生成したNH_4^+を同時除去するためにCl^-を添加して電解処理を行い、Cl^-添加の有無による電極表面積基準のNO_3^-反応速度定数を比較した結果、Cl^-を無添加、添加でそれぞれ0.061、0.030m/hrであり、Cl^-の添加はNO_3^-還元の速度を低下させた。これはCl^-を添加することによって生成されるClO^-によってNH_4^+がNO_3^-に酸化され、NO_3^-還元反応に影響を及ぼしたためと考えられる。Fe^<2+>添加時のNO_3^-還元における電子効率は、Cl^-添加の有無に関わらず理論値の30%以下であった。一方、Cu^<2+>とCl^-を同時に添加してNO_3^-還元を行った場合、電極表面積基準のNO_3^-還元速度定数は0.093m/hr、電子効率は理論値の45%に達し、Fe^<2+>を添加した場合より高い値を示した。 添加金属(Fe^<2+>、Cu^<2+>)の違いにより、NO_3^-還元速度と電子効率に違いが見られるのは、Fe^<2+>は陰極へ移動するもののFeへの還元は起こらない、一方Cu^<2+>は陰極に移動してCuへ還元されたため、NO_3^-は陰極にて還元されやすくなったと考えられる。このためCu^<2+>を添加した電解処理においてNO_3^-還元の電子効率及びNO_3^-還元速度定数が向上したと考えられる。
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[Publications] 金章茂, 奥田直史, 胡洪営, 藤江幸一: "The effect of Copper ion on nitrate reduction with electrochemical method"36回水環境学会年会講演要旨集. 173 (2002)
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[Publications] Dongbin Wei, Hong-Ying Hu, Kosei Hiramoto, Koichi Fujie: "Quantitive prediction of electrochemical reduction characteristics for chlorinated aromatics based on their molecular structures"Chemistry Letters. 4. 456-457 (2002)