2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12480163
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
國井 秀伸 島根大学, 汽水域研究センター, 助教授 (70161651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土谷 岳令 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (20227432)
清家 泰 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (30243421)
高安 克己 島根大学, 汽水域研究センター, 教授 (00127490)
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Keywords | 汽水域 / 保全生態 / 絶滅危惧種 / コアマモ / カワツルモ / 水生植物 / 海草 / 宍道湖・中海 |
Research Abstract |
本年度は,(1)コアマモの地下茎の成長と光強度の関係を実験的に調べ,(2)宍道湖・中海におけるコアマモの水平及び垂直分布を野外調査により知り,さらに(3)リュウノヒゲモ,カワツルモ,イトクズモ,コアマモそれぞれの生育する場所の底質と水質について分析した.(1)に関しては,地下茎は9月から12月にかけてのいずれの時期においても外光の8%以下の照度における成長の阻害が観察され,正の成長を維持するためには30%程度の光が必要であることが示唆された.地下茎は9月には1cm/日の速さで伸長成長を行っていたが,10月には0.6cm/日に速度が低下し,日平均水温15℃以下となった11月以降は成長を停止した.この観察は現在も継続中である.(2)に関しては,コアマモは宍道湖と中海を結ぶ大橋川において,水深0.2mから1.7mの間に岸に沿ってベルト状の分布をしていた.分布の中心は0.8mから1mにあり,この水深は透明度を1.5mと仮定した場合の相対照度30%の水深にほぼ一致した.(3)に関しては,2000年10月にそれぞれの植物が生育する場所の底泥と水(間隙水も含む)を8ヵ所で採取し,底質に関しては含砂率と灼熱減量を分析,水質に関しては窒素(硝酸態,亜硝酸態,アンモニア態及び全窒素),リン(リン酸態及び全リン)のほか,COD,塩素イオン量,硫酸イオン量を分析した.植物の分布とこれら環境因子との関連については,次年度以降にさらに試料を追加した後に行う予定である.
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Research Products
(2 results)