2000 Fiscal Year Annual Research Report
高知県柏島水域における海中生物の生物多様性の保全と活用:地域振興の視点から-生物学的・社会科学的アプローチ-
Project/Area Number |
12480164
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
三浦 大介 高知大学, 人文学部, 講師 (30294820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友野 哲彦 高知大学, 人文学部, 助教授 (00284422)
深見 公雄 高知大学, 農学部, 教授 (30181241)
山岡 耕作 高知大学, 農学部, 教授 (20200587)
交告 尚史 神奈川大学, 法学部, 教授 (40178207)
婁 小波 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (50247970)
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Keywords | 漁業センサス / 海域管理権 / 公物管理 / 財産管理 / 魚類の相互関係 / 人工海草区 / コアマモ区 / 砂底区 |
Research Abstract |
この研究において社会科学的アプローチを行う分担者による平成12年度の研究は、いずれも本研究の最終目標を見据えた基礎的レベルの課題を検討するものである。経済学からは、高知県柏島地域を対象に、低迷あるいは衰退しつつある地域の漁業の変容と、それに台頭しつつある遊漁や海洋性レクリエーション産業の現状、および地域発展の課題について、『漁業センサス』などの統計データをもとに明らかにされた(この研究の成果として、友野哲彦「漁業集落における産業の変容と課題-理論的分析-」高知論叢69号49頁以下を参照)。また、法律学からの研究として、海域管理権が誰に帰属するのかを明らかにする試みが行われた。そこでは、公物管理と財産管理の双方からの検討がなされている(この研究の成果として、三浦大介「公物管理と財産管理-海の管理を素材として-」高知論叢69号71頁以下を参照)。 自然科学分担者による平成12年度の研究は、サンゴ礁周辺域に出現する魚類の相互関係を明らかにするため、5種類の人工海草実験区を設定し、それら人工海草実験区とコアマモ区、砂底区の魚類に対する生息場所としての評価を行うものであった。人工海草区では33科63種1294個体、コアマモ区では21科32種239個体、砂底区では15科23種165個体が蝟集し、人工海草区の出現個体数は、実験区設置後約2週間目の8月1日から増加、9月13日まで高い値を示した後、徐々に減少したが、常にコアマモ区と砂底区に比べて多いことが明らかとなり、また、人工海草区に常に出現した魚種は、キンセンイシモチ、クロイシモチ、マダイ、イトフエフキ、カミナリベラ、コウライトラギス、カワハギであった。以上の結果、人工海草区は種間関係を調べるための舞台として有効であると考えられるに至った。
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Research Products
(2 results)