2000 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内シグナルトランスダクションを担うヘム関連タンパクの構造と機能
Project/Area Number |
12480176
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
齋藤 正男 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (70302239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 浩 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (80228957)
城 宜嗣 理化学研究所, 生体物理化学研究室, 主任 (70183051)
富田 毅 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (20302242)
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Keywords | ヘムオキシゲナーゼ / ヘム / 結晶化 / 共鳴ラマンスペクトル / 一酸化炭素 |
Research Abstract |
高等動物のヘムオキシゲナーゼには誘導型と構成型の2種類が知られており、それぞれHO1、HO2と呼ばれている。本研究ではHO2の構造解析を実行するための高純度試料の調製を行った。ヘムオキシゲナーゼはC末端側に膜結合部位を持っているが、結晶化を容易に行なうためにこの部分を除いたものを大腸菌の大量発現系により調製した。精製した試料を用いていくつかの結晶化条件の検討を行なったが、全く結晶化しなかった。結晶化しない原因は試料の不均一性にあると考えられた。すなわち、かなりの割合で部分的に分解されていたり、変性したりしていることが等電点電気泳動や高速液体クロマトグラフィーによる精密な分析により判明した。そこで欠失させるC末端側のアミノ酸の数を増やしたものを新たに調製し、分解産物の混入を減らすことにより試料の均一性を向上させることを試みた。この場合も試料を結晶化することができなかったので、さらに高純度の精製法の開発を目指した。その結果従来のイオン交換カラム、ゲルろ過カラム、硫安分画による精製に加えてさらに、ハイドロキシアパタイトカラム、疎水クロマトカラム、色素カラムによる処理を行なうと、試料の均一性が著しく向上することが判明した。十分に精製した試料を用いて紫外可視吸収スペクトルおよび共鳴ラマンスぺクトルの測定を行なった。その結果、HO-2の一酸化炭素配位型におけるFe-CおよびC-O伸縮振動はHO-1のものとほぼおなじであったが、酸素化型の安定性はHO-1に比べて著しく低下していることが明らかとなった。
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[Publications] Chu G.C.,Tomita T.,Ikeda-Saito M.他7名: "Histidine 20, the Crucial Proximal Axial Heme Ligand of Bacterial Heme Oxygenase Hmu O from Corynebacterium diphteriae"The Journal of Biological Chemistry. 275. 17494-17500 (2000)
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[Publications] Tomita T.,Ikeda-Saito M. 他3名: "UV Resonance Raman Detection of a Ligand Vibration on Ferric Nitrosyl Heme Proteins"The Journal of American Chemical Society. 123(In press). (2001)