2000 Fiscal Year Annual Research Report
ランダムポリペプチドによる蛋白質の構造形成能の創出
Project/Area Number |
12480200
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
四方 哲也 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00222399)
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Keywords | ランダム蛋白質 / 遷移状態アナログ / ファージディスプレイ / 蛋白質進化 / 抗体酵素 |
Research Abstract |
ファージライブラリーからの選択はランダム蛋白質がエステル結合加水分解反応の遷移状態アナログに吸着することで行った。酸素は化学反応の遷移状態を安定化することによって触媒機能を示す。よって、リン酸系の遷移状態アナログに対して高い親和性を持つランダム蛋白質は、エステルの加水分解反応の遷移状態を安定化し、触媒活性を示すことが期待される選択系の性質によって得られる結果が変化するかもしれないので、3つの方法を試してみた。1つはプレートに遷移状態アナログを固定する方法である。これは抗体酵素を取得する際に標準的に用いられている方法である。この際、遷移状態アナログのプレート表面密度が選択の重要な条件となるのでそれを検討した。2つ目の方法では遷移状態アナログを固定したアフィニティーカラムクロマトグラフィーである。この方法ではランダムポリペプチドと遷移状態アナログの結合解離が多段反応になるので、微妙な結合定数の差も検出可能となる。3つ目は磁性粒子を用いる。この場合、ビオチン化した遷移状態アナログとファージライブラリーを接触させ、アビジン結合磁性粒子によって吸着ファージを回収する。この方法は溶液反応なので、上記の2つの個体表面への吸着反応に比べ、親和力と選択性の対応関係がよりハッキリしていた。細かな条件設定は、すでに調製済みの遷移状態アナログに対する抗体酵素のファージディスプレーを用いて行った。
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