2001 Fiscal Year Annual Research Report
ノックアウトマウスを用いたユビキチンリガーゼの機能解析
Project/Area Number |
12480211
|
Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中山 啓子 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (60294972)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畠山 鎮次 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (70294973)
中山 敬一 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80291508)
北川 雅敏 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50294971)
|
Keywords | SCF複合体 / Skp2 / p27 / 中心体 / ノックアウトマウス / Cul-1 / Skp1 |
Research Abstract |
Skp2ノックアウトマウスは、サイクリンEとp27のユビキチンリガーゼであるSkp2を欠失するマウスであり、サイクリンEとp27の過剰蓄積が観察された。それにともない染色体の倍数性異常、核の増大、中心体の過剰複製が認められた。 Skp2ノックアウトマウスで認められた染色体倍数性の異常や中心体の過剰複製の成因を検討した。Skp2ノックアウトマウスにestriolを投与することによって、肝細胞の増殖を一過性に促進した。正常マウスではこの処理によって肝細胞の増殖が観察されるが、Skp2ノックアウトマウスでは肝細胞は正常にS期に進入するにも関わらず、M期への進入が見られなかった。このことから染色体倍数性の異常や中心体の過剰複製はp27の蓄積によるM期への進入阻害によると結論された。Skp2ノックアウトマウスより調製された胎仔線維芽細胞では、Cdk2活性のみならずCdc2活性の低下が見られることから、G2期からM期でのp27の異常な蓄積がCdc2活性の低下をもたらしていると考えられる。またNIH3T3細胞にp27及びSkp2によって分解されない変異型p27を過剰発現したところ、Skp2によって分解されない変異型p27を過剰発現したときのみ、中心体の過剰複製が認めらたことからも、正常では存在し得ないp27がG2期からM期に過剰に蓄積することが、Skp2ノックアウトマウスの表現型を引き起こしていると結論された。 Cul-1ノックアウトマウス及びSkp1ノックアウトマウスはいずれも胎生初期に発生を停止することが判明した(胎生5.5日〜6.5日に死亡)この初期胚にはサイクリンEの過剰蓄積が認められた。Cul-1、Skp1はSCF複合体の共通コンポーネントであり多くの基質蛋白の分解に関わることが予想される。胎生初期の死亡はそれを裏付ける結果であった。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Hara, T.: "Degradation of p27^<Kip1> at the G0-G1 transition mediated by a Skp2-independent ubiquitination pathway"J. Biol. Chem.. 276. 48937-48943 (2001)
-
[Publications] Malek, N. P.: "A mouse knock-in model exposes sequential proteolytic pathways that regulate p27^<Kip1> in G1 and S phase"Nature. 413. 323-327 (2001)
-
[Publications] Tsukiyama, T.: "Down-regulation of p27^<Kip1> expression is required for development and function of T cells"J. Immunol.. 166. 304-312 (2001)
-
[Publications] Nagahama, H.: "Spatial and temporal expression patterns of the cyclin-dependent kinase (CDK) inhibitors p27^<Kip1> and p57^<Kip2> during mouse development"Anat. Embryol.. 203. 77-87 (2001)
-
[Publications] Minamishima, A. Y: "Recovery of liver mass without proliferation of hepatocytes after partial hepatectomy in Skp2-deficient mice"Cancer Res.. 62. 995-999 (2002)
-
[Publications] Miyamoto, A.: "Increased proliferation of B cells and autoimmunity in mice lacking protein kinase Cδ"Nature. (in press). (2002)