2000 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス誘導に関与する新規GTP結合タンパク質の生理機能の解明
Project/Area Number |
12480213
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
井上 純一郎 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70176428)
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Keywords | Gタンパク質 / アポトーシス / RNA結合タンパク質 / 翻訳後修飾 |
Research Abstract |
対象である新規GTP結合タンパク質を大腸菌をはじめとし多様な種に保存されていることからconserved ERA-like GTPase(CEGA)と命名し、本年は以下の知見を得た。CEGAのmRNAは成体マウスにおいてほぼ全臓器に発現していた。また申請者らが作成した抗CEGAタンパク質抗体を使った実験により、CEGAは翻訳後に修飾をうけること、さらにCEGAを過剰発現させると核周辺の細胞内小器官に局在することが判明した。CEGAのGTPase/GTP結合ドメイン点変異体を導入によるアポトーシスは、Bcl-xLやBcl-2の共発現により抑制された。この結果からCEGAはミトコンドリアあるいは小胞体を介してアポトーシスを誘導すると推測される。ついで種々の欠失変異体を用いて検討し、カルボキシ末端側にアポトーシス誘導領域があると結論した。CEGAのカルボキシ末端側にはKHドメインが存在し、CEGAによるアポトーシス誘導にKHドメインを介したRNA結合が重要な役割を果たしていると思われる。KHドメインを持つ他のタンパク質は個体発生や各種器官の発達に必須であることが知られている。また一般にアポトーシスが個体発生や発達に必要不可欠であることを考慮すると、KHドメインを介したCEGAのRNA結合活性が個体発生などアポトーシスを必要とする現象に関与している可能性がある。この仮説を検証するためには、CEGAのKHドメインへの結合RNA分子とその配列の決定およびRNA結合がCEGAの機能に与える影響に関しては詳細かつ早急な検討が必要であるとの結論に至った。現在リコンビナントCEGAタンパク質がRNA結合能を有するところまで進んだ。CEGA欠損DT40細胞の作成に関しては、二つのCEGA遺伝子座の内一つは欠損させることに成功した。またCEGAのエフェクタ-分子の同定は進行中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kobayashi,N.: "Segregation of TRAF6-mediated signaling pathways clarifies its role in osteoclastogenesis"EMBO JOURNAL. (in press). (2001)
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[Publications] Sharma,K.M.: "Aurine Tricarboxylic Acid, a potent metal-chelating inhibitor of NFκB-DNA binding."Bioorg.Med.Chem. 8. 1819-1823 (2000)
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[Publications] Hatzoglou,A.: "Tumor necrosis factor receptor family member BCMA (B-cell maturation) associates with TRAF1, TRAF2 and TRAF3 and activates NF-kB, Elk-1 and c-Jun N-terminal kinase."J.Immunol. 165. 1322-1330 (2000)
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[Publications] Matsumoto,N.: "Synthesis of NF-κB activation inhibitors derived from epoxyquinomicin C."Bioorg.Med.Chem.Lett.. 10. 865-869 (2000)
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[Publications] Inoue,J.: "Tumor necrosis factor receptor-associated factor (TRAF) family : adapter proteins that mediate cytokine signaling."Exp.Cell Res. 254. 14-24 (2000)
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[Publications] 井上純一郎: "TRAF6シグナルの生理的役割"Molecular Medicine. Vol.37. 110-117 (2000)