2000 Fiscal Year Annual Research Report
上衣細胞移植による中枢神経再生の促進とそのメカニズム
Project/Area Number |
12480226
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井出 千束 京都大学, 医学研究科, 教授 (70010080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 一志 京都大学, 医学研究科, 助手 (20314180)
野田 亨 京都大学, 医学研究科, 講師 (50156204)
溝口 明 三重大学, 医学部, 教授 (90181916)
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Keywords | 脈絡叢上衣細胞 / 移植 / 中枢神経再生 / 栄養因子 / シナプス形成 |
Research Abstract |
これまでの研究によって、ラットの脈絡叢上衣細胞が移植細胞として有効であることを明らかにして来た。この細胞は本来は脳脊髄液の分泌細胞であるが、中枢神経系の移植細胞としても有効であることが明かとなってきた。中枢神経系に属する細胞として、中枢神経の再生には適当な細胞と考えられる。先の移植実験の発展として、GFPトランスジェニックラットからの脈絡叢上衣細胞を野生型のラットに移植することによって、移植上衣細胞の運命を明らかにし、再生軸索との関係から、再生における機能を解明するために実験を進めている。また、脈絡叢上衣細胞の特性を明らかにするために、サブトラクション法を用いて、この細胞の特徴的な遺伝子を検索してきた。その結果、いくつかの特に多く発現されている遺伝子を得ることが出来た。その中にはいくつかの未知の遺伝子も含まれている。これらの遺伝子がどの程度再生という現象に関わっているかは今のところ不明であるが、再生神経の伸長促進機能という観点から検討していく。さらに以前の計画で達成できなかった遺伝子導入の方法によって、ニューレグリン遺伝子を脈絡叢上衣細胞に強制発現させて、再生に対する効果を調べる予定である。現在、遺伝子のクローニングとプラスミドへの組み込みの実験が進行中である。形態学的に神経の再生をはっきりと示すためには、再生軸索が宿主ニューロンとの間にシナプスを形成することが重要である。この観点から、再生軸索をHRPで標識して、電子顕微鏡的にシナプスの形成を調べている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Ide,C.,Chaleralortty,S.et al.: "Grafting of choroid plexus eperdymal cell promotes the growth of regenerating axons in the dorsal funiculue of ratspinal cerd"Exp.Neural. 167. 242-251 (2001)
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[Publications] Chakratortty,S.Kitada,M.et al.: "Choroid piexus eperdymal cells enhance the nocinete outgrowth from dorsal root ganglion neurons in vitro"J.Neuroeytal. 印刷中.
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[Publications] Shirasu,M,Kimura,K.,et al.: "VtMP-2 promotes newrite elongation and SNAP-25A inuearei newrite sprouting in PC12 cells"Neuroseo.Res.. 37. 265-275 (2000)
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[Publications] Nishida,A.,Takahashi,M.,et al.: "Incorporation and differentation of neural stem cells transplanted in injured rat retina."Invest Ophthalmal Vis.Sci.. 41. 4268-4274 (2000)
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[Publications] 井出千束: "神経再生とグリア細胞"Clin.Neurosw.. 18. 32-34 (2000)
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[Publications] 井出千束: "脳神経科学(伊藤正男監修)"三輪書店(印刷中).
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[Publications] 溝口明,井出千束: "脳神経科学(伊藤正男監修)"三輪書店(印刷中).