2000 Fiscal Year Annual Research Report
中枢ニューロンにおける種々の刺激によるアポトーシスの細胞内シグナル解析
Project/Area Number |
12480229
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
畠中 寛 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (60208519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 雅司 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (90304055)
榎戸 靖 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (90263326)
池内 俊彦 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (20093362)
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Keywords | アポトーシス / PI3キナーゼ / p38MAPキナーゼ / ニューロトロフィン / 高カリウム培地 / 小脳 / Bcl-2 / 色素乾皮症 |
Research Abstract |
小脳顆粒細胞を高カリウム培地で成熟させた後、低カリウム培地に交換することによりアポトーシスを誘導した。このとき、p38MAPキナーゼのリン酸化レベルの顕著な活性化が観察され、BDNFやIGF-1を添加することによりこの活性化は抑制された。さらに、p38MAPキナーゼの特異的阻害剤であるSB203580によって、このアポトーシスが抑制されたことから、p38MAPキナーゼがアポトーシスに関与していることが強く示唆された。 大脳皮質の分散ニューロンでのNO誘導性ニューロン死においてBcl-2の顕著なリン酸化が起こることが明らかとなった。Bcl-2のリン酸化はERK、p38MAPKの阻害剤によって阻害された。これらの結果は、Bcl-2のリン酸化が細胞死に関与することを強く示唆している。また、この系において、高酸素負荷による細胞死に伴い、システインプロテアーゼインヒビターのひとつであるシスタチンCのmRNAおよび蛋白質の発現が上昇することを見出した。シスタチンCは酸化ストレスによる神経細胞死に対し、細胞死抑制効果をもつと考えられる。 疾患モデル動物としてA群色素性乾皮症原因遺伝子(XPA)、B群コケイン症候群原因遺伝子(CSB)を単独、あるいは共に欠損したマウスを用いて、小脳の形態形成異常を調べた。その結果、XPA、CSB両遺伝子欠損マウス(XPA-/-;CSB-/-マウス)では、XPAあるいはCSBそれぞれ単独の欠損マウスでは観察されなかった著しい発育不良と行動異常ならびに運動失調が、生後早期から観察された。小脳における細胞の増殖能をBrdUラベリングで、細胞死(アポトーシス)をTUNEL法による免疫組織染色で調べた。その結果、XPA-/-;CSB-/-マウス小脳で観察された組織、細胞レベルでの異常は外顆粒層に存在する神経芽細胞の減少とアポトーシス細胞の増加によるものであることがわかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 山岸覚: "p38 Mitogen-activated protein kinase regulates low potassium-induced apoptosis in cultured cerebellar granule neurons."J.Biol.Chem.,. 276,. 5129-5133. (2001)
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[Publications] 石川保幸: "Brain-derived neurotrophic factor accelerates nitric oxide donor-induced apoptosis of cultured cortical neurons."J.Neurochem.,. 75,. 494-502. (2000)
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[Publications] 稲村直子: "The role of p53 in DNA strand break-induced apoptosis in organotypic slice cultures from the mouse cerebellum."J.Neurosci.Res.,. 60,. 450-457. (2000)
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[Publications] 中山均: "Regulation of α3 nicotinic acetylcholine receptor subunit mRNA levels by NGF and cAMP in PC12 cells."J.Neurochem.,. 74,. 1346-1354. (2000)
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[Publications] 西尾チカ: "Involvement of cystatin C in oxidative stress-induced apoptosis of cultured rat CNS neurons."Brain Res.,. 873,. 252-262. (2000)
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[Publications] 荒木敏行: "Role of phosphatase activity of Shp-2 in BDNF signaling in cultured cerebral cortical neurons."J.Neurochem.,. 74,. 659-668. (2000)