2001 Fiscal Year Annual Research Report
WGA-GFP融合トランスジーンによる機能的神経回路の蛍光可視化技術の開発と応用
Project/Area Number |
12480243
|
Research Institution | RIKEN |
Principal Investigator |
吉原 良浩 理化学研究所, シナプス分子機構研究チーム, チームリーダー(研究職) (20220717)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 美知子 理化学研究所, シナプス分子機構研究チーム, テクニカルスタッフ(研究職)
宮脇 敦史 理化学研究所, 細胞機能探索技術研究チーム, チームリーダー(研究職) (80251445)
|
Keywords | WGA / 経シナプス性トレーサー / GFP / 蛍光可視化 / 神経回路網 / 嗅覚神経回路 / 小脳遠心性神経回路 / シナプス形成 |
Research Abstract |
私たちは最近、WGA(wheat germ agglutinin:小麦胚芽レクチン)遺伝子をトランスジーンとして特定の神経回路を可視化する新技術を確立した。特異的プロモーターの制御下に特定のタイプのニューロンでWGA遺伝子を強制発現させると、産生されたWGA蛋白質はシナプスを介して2次ニューロンへ、さらには3次ニューロンまで輸送され、WGA発現細胞を起点とする神経回路が可視化された。本研究においては経シナプス性にニューロン間を輸送されるWGAをGFPなどの蛍光蛋白質と融合させることによって、機能的神経回路を蛍光で可視化するという新たな試みに挑戦し、WGAトランスジーン技術の飛躍的発展を目指した。 平成13年度においては、前年度に作製したトランスジェニックマウス(L7-WGA/GFP、OMP-WGA/GFP、OMP-WGA/CFP)の詳細な解析を行ったが、in vivoではGFP蛍光は観察されなかった。またL7-WGA/DsRedトランスジェニックマウスを作製したところ、プルキンエ細胞で強いDsRedの蛍光が検出されたが、シナプスを越えての移動は観寮されなかった。現在、より効率よく蛍光を発するGFP誘導体であるVenusを用いた融合遺伝子の作製ならびにin vitro(細胞培養系)においてのWGA/GFPの経シナプス性移行を解析中である。
|
-
[Publications] Yoshihara Y et al.: "Sniffing out odors with multiple dendrites"Science. 291. 835-837 (2001)
-
[Publications] Kinoshita N et al.: "Adenovirus-mediated WGA gene delivery for transsynaptic labeling of mouse of factory pathways"Chem Senses. (in press).
-
[Publications] 吉原良浩: "WGAトランスジーンを用いた選択的神経回路可視化技術"組織細胞化学. 26. 73-79 (2001)
-
[Publications] 吉原良浩: "マウス発生工学を用いた神経回路可視化法"実験医学. (印刷中).
-
[Publications] 吉原良浩: "WGAトランスジーンを用いての嗅覚神経回路の可視化"日本味と匂学会誌. (印刷中).
-
[Publications] 吉原良浩: "バイオサイエンスの新世紀 第12巻 感覚器官と脳内情報処理機構 1-1 匂いの情報処理線維連絡"共立出版(印刷中).