2000 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変動物の腸内細菌叢による病態発現と遺伝子発現の抑制機構の解明とその応用
Project/Area Number |
12480250
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 喜久治 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50100045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 豊志雄 実験動物中央研究所, 室長(研究職) (20106644)
中山 裕之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究所, 助教授 (40155891)
平山 和宏 東京大学, 大学院・農学生命科学研究所, 助手 (60208858)
小林 喜美男 実験動物中央研究所, 室長(研究職) (20205454)
大西 保行 実験動物中央研究所, 室長(研究職) (70201382)
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Keywords | トランスジェニックマウス / rasマウス / 発癌 / c-Ha-ras / p53 |
Research Abstract |
1.1,2-dimethylhydrazine(DMH)投与により誘発される大腸癌の発生がヒトプロト型c-Ha-ras遺伝子を保有するトランスジェニックマウスのrasマウスにおいて、コントロールマウスに比べて著しく高いことの遺伝子レベルでの解析を行った。 初めに導入したc-Ha-rasの変異を調べたところ、通常見られるコドン12とコドン61での変異はみられず、c-Ha-rasの発現量を検討したが、コントロールに比べてover expressionの状態ではなかった。以上の結果から、rasマウスのDMHに対する高感受性はc-Ha-ras遺伝子の変異やover expressionによるras蛋白の産生によるものではないと考えられた。 次にマウスのもつK-rasや癌抑制遺伝子であるp53の変異を検討したが、いずれも遺伝子の変異は見られなかった。 2.rasマウスとp53ノックアウトマウスをかけあわせて作出したras-p53(+/-)におけるDMH誘発大腸癌の発生を比較した。対象としてrasマウス、p53ノックアウトマウスを用いた。 その結果ras-p53(+/-)マウスは死亡率が高く♂、♀ともに67%であった。p53(+/-)、rasマウスでは約20%であった。大腸腫瘍の発生は、ras-p53(+/-),p53マウスで♂に感受性が高かったが、rasマウスと♂では大きな差はみられなかった。Ras-p53(+/-)では大腸腫瘍のほか多くの血管腫や繊維腫がみられた。 以上の結果から、rasマウスでのDMH接種による大腸癌の発生にp53は関与していないと考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Narushima,S.,Itoh,K. et al.: "Composition of cecal bile acids in ex-germfree mice inoculated with human intestinal bacteria."Lipids. 35・6. 639-644 (2000)
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[Publications] Ohno,K.,Narushima,S.,Itoh,K, et al.: "Inhibitory effect of apple pectin and culture condensate of Bifidobacterium longum on colorectal tumors induced......"Exp.Anim.. 49・4. 305-307 (2000)
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[Publications] Miyamoto,Y.and Itoh,K.: "Bacteroides acidifaciens sp.mov.,isolated from the caecum of mice."Int.J.Syst.Evolu.Microbiol.. 50・1. 145-148 (2000)
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[Publications] Marnyama,C.,Ohnishi,Y. et al.: "Over expression of humam H-ras transgenic is responsible for tumors induced by chemical carcinogens in mice."Oncol.Rep.. 8・1. 233-237 (2001)
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[Publications] Ohnishi,Y.,Arai,T. et al.: "Induction of drug metabolism-related enzymes by methylcholanthrene and phenobarbital in transgenic mice......."Exp.Anim.. 50・1. 33-39 (2001)
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[Publications] Ohno,K.,Narashima,S.,Itoh,K. et al.: "Effect of bacterial metabolism in the intestine on colorectal tumors induced by 1,2-dimethylnydrazine in transgenic mice..."J.Exp.Clin.Cancer Res.. 20・1(in press). (2001)