2000 Fiscal Year Annual Research Report
新規芳香族ポリイミド中空糸膜を用いた高性能持続的血液浄化システムの開発
Project/Area Number |
12480266
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
長岡 昭二 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30254147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和田 滋 聖マリアンナ医科大学, 腎臓・高血圧内科, 助教授 (40103486)
金森 敏幸 工業技術院物質工学工業技術研究所, 主任研究員
川上 浩良 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10221897)
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Keywords | 血液浄化 / 持続的血液濾過膜 / 含フッ素ポリイミド / 血液適合性 / ファウリング / 中空糸膜 |
Research Abstract |
ポリスルホンのような高分子中空糸膜モジュールを用いた持続的血液浄化治療法(Continuous Arteriovenous Hemofiltration:CAVH)は急性腎不全の治療法として多くの臨床医の関心を集めている。しかし、実際に適応してみると数日にわたる長期間の治療であるため中空糸内部での血栓形成あるいは血漿タンパク質の付着による膜透過性能の劣化(ファウリング)が大きな問題であり、モジュールの交換など煩雑な操作が必要とされることがわかってきた。申請者らは新規な構造をもち、各種の溶媒に可溶な含フッ素芳香族ポリイミド膜を合成し、その人工肺への応用を報告してきた。本研究では、この芳香族ポリイミド膜を用い、長期間連続使用可能なCAVHシステムの開発を行なう。そのために、膜の血液適合性、透過性(血液濾過性能)を精度良く確認し、中空糸化、モジュール化を検討、動物実験を行い臨床応用の可能性を探索する。得られた研究成果は以下のとうりである。 (1)含フッ素ポリイミド膜はin vivo、in vitroで良好な血液適合性,免疫適合性を示すことを明らかにし、それは含フッ素ポリイミドの表面特性(高い疎水性と低い表面ζ電位)が制御された血漿タンパク質吸着(特にIgGの選択配向吸着)を誘発しているためであることを示した。 (2)相転換法による含フッ素ポリイミド多孔膜作製条件を検討した。膜孔径はポリマーキャスト液の組成、濃度、温度、剪断速度など種々のパラメーターの組み合わせで幅広く制御が可能であり、得られた血液濾過膜は既存のポリスルホン膜より優れた分離性能と耐ファウリング性を示すことを明らかにした。また中空糸膜紡糸条件を決定した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Niwa,H.Kawakami.S.Nagaoka: "Fabrication of an asymmetric polyimide hollow fiber with a defect-free surface skin layer"Journal of Membrane Science. 171. 253-261 (2000)
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[Publications] T.Kanamori,H.Kawakami S,Nagaoka: "An Estimate of Gas Transfer Rates of Intravascular Membrane Oxygenator(IVOX)"ASAIO Journal. 46. 612-619 (2000)
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[Publications] T.Kanamori,H.Kawakami,S.Nagaoka: "Preparation of Asymmetric Hollow-fiber Membrane with Ultrathin Dense Skin Layer on the Outer Surface Using Dry/Wet Phase Inversion Process"Macromol,Symp.. 160. 233-237 (2000)
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[Publications] H.Kawakami,S.Nagaoka: "Albumin adsorption to surface of annealed fluorinated polyimide"Polym.Adv.Technol. 12. 1-9 (2001)
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[Publications] S.Nagaoka,H.Kawakami: "Evaluation of Blood compatibility of Fluorinated Polyimide by Immunolabelling Assay"Journal of Arificial Organs. 4(in press). (2001)
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[Publications] 長岡昭二: "医療デバイス・人工臓器の表面処理(総説)"表面. 11. 507-516 (2000)