2001 Fiscal Year Annual Research Report
新規芳香族ポリイミド中空糸膜を用いた高性能持続的血液浄化システムの開発
Project/Area Number |
12480266
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Research Institution | TOKYO METROPOLITAN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
長岡 昭二 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (30254147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和田 滋 聖マリアンナ医科大学, 臓高血圧内科, 助教授 (40103486)
金森 敏幸 産業技術総合研究所, 主任研究員
川上 浩良 東京都立大学, 工学研究科, 助教授 (10221897)
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Keywords | 持続的血液濾過システム / 含フッ素ポリイミド / 血液適合性 / 非対称中空糸膜 / ファウリング / 分画分子量 / 限外濾過速度 / タンジェンシャルモジュール |
Research Abstract |
本年度はまず、0.3m^2の中空糸膜モジュールを試作するために必要な含フッ素ポリイミド(6FDA-6FAP)ポリマーの大量合成を行なった。20Lの反応容器を用いモノマー濃度20%で数回重合を行い約10kgのポリマーを得た。重量平均分子量(Mw)は1.2x10^5、Mw/Mn=2.1であり紡糸可能であった。従来より非対称構造を有する中空糸多孔膜の作製は困難とされていたが、乾湿式相転換プロセスを用いた紡糸法により中空糸の構造は制御可能となった。特に芯液に水とN-メチノルピロリドン(NMP)を用いることによりフィンガーボイドを有する非対称微多孔中空糸膜が作成され、その濾過性能、強伸度は平膜と同様に目標値を達成することを明らかにした。またそのファウリング抑制能およびファウリングからの流量回復率について評価し、高いファウリング抑制能と化学薬品用いない簡単な水洗浄のみでファウリング回復することを確認した。 この中空糸膜の血液適合性はビーグル犬を用いた下大静脈留置法で評価した。さらにモジュール内での血液の流動状態は血液損傷や濾過性能に大きく影響するため乱流や滞留部分が少ないことが必要である。これらの要求特性を考慮してモジュールへの血液導入部分(ヘッダー)に関し検討を行なった。その結果、血液を渦巻き状に中空糸束に導入するいわゆるタンジェンシャル形状が最適であることを見出した。試作したモジュールのプライミング血液量は回路も含め50mL以下であった。このモジュールによる体外循環実験を進めている。 一方この材料(6FDA-6FAP)表面にラビング、イオン注入、プラズマ処理などを組み合わせたナノ・マイクロ加工を施すことにより細胞の接着、増殖、分化の制御が可能であることを見出した。これは、次世代人工臓器の開発や再生工学に有益な知見である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nagaoka S., Kawakami H et al.: "Evaluation of bood compatibility of fluorinated polyimide by immunolabeling assay"J.Artif.Organs. 4(2). 107-112 (2001)
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[Publications] Niwa M., Kawakami H., Nagaoka S et al.: "Gas Separation of Asymmetric 6FDA Polyimide Membrane with Oriented Surface Skin Layer"Macromolecules. 34(26). 9039-9044 (2001)
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[Publications] KawakamiH., Nagaoka S.et al.: "Albumin Adsorption to Surface of Annealed Fluorinated Polyimide"Polym.Adv.Technol.. 12. 244-252 (2001)
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[Publications] 川上 浩良: "相転換法による膜構造制御(総説)"膜. 26(3). 110-115 (2001)
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[Publications] Kanamori, T., Shinbo, T.et al.: "Development of Artificial Lung for Long-Term Use Using Hollow-Fiber"New Tech.Jpn.. 28. 11-12 (2001)
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[Publications] Owada S, Tsukamoto T. et al.: "Erythrocyte redox state in hemodialyzed patients : glutathione and glutathione-related enzymes"J.Artif.Organs. 4(1). 8-18 (2001)