2001 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル化時代におけるアメリカニゼーションとナショナリズムの国際的比較研究
Project/Area Number |
12490002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
古矢 旬 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (90091488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 鐘元 立教大学, 法学部, 教授 (20210809)
久保 文明 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (00126046)
大津留 智恵子(北川 智恵子) 国立民族学博物館, 地域研究企画センター, 助教授 (20194219)
遠藤 泰生 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50194048)
加納 啓良 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (00134635)
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Keywords | アメリカニゼーション / グローバリゼーション / ナショナリズム / デモクラシー / 開発 / 地域統合 / 人権 / 世界銀行 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、各研究分担者は分担テーマに関する資料収集と相互の見解の突き合わせを継続的に行った。そのかたわら、加納は専門とするインドネシアとその周辺東南アジア諸国におけるアメリカの経済的影響の歴史と現在を調査するために、現地踏査を行い、現地の研究者との研究協力体制の構築および研究成果の刊行打ち合わせを行った。 しかし、2001年9月、本研究が解明すべき中心的国家であるアメリカ合衆国を襲った同時多発テロは、数名の分担者が予定していたアメリカ現地調査計画を大きく狂わせたばかりでなく、本研究全体の問題視角にも大きな影響を与える結果となった。大津留は事件後カリフォルニア州を訪れ、アメリカの対外認識の変容をめぐる聞き取り調査と資料収集を行った。同じく合衆国を訪れた久保は、この事件によってクローズアップされたアメリカの対外政策における単独行動主義とグローバリゼーションとの関わりについて資料収集と種々の圧力団体、政治団体の指導者へのインタビューを行った。また研究代表者古矢は、前年来進めてきた論文集の刊行計画に大幅な手を加えるとともに、事件の歴史的意義に関する雑誌記事を刊行することによって、本研究テーマについて、事件以後生じた新しい問題視角を提起した。 本年度後半からは、次年度夏に予定されている海外研究協力者を含む国際シンポジウムの準備を開始した。各分担者は、シンポジウムにおける課題の概要を提出し、それを素材として相互の論点を突き合わせるために合宿を行い、シンポジウムの計画を具体化した。それにもとづき、各分担者はシンポジウムへの提出ペーパーとその後に予定される研究課題に関する論文集への寄稿準備を開始した。
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[Publications] 古矢 旬: "アメリカニズム : 20世紀から21世紀へ"『アメリカニズムの21世紀』(神戸大学国際文化学部主催第5回国際シンポジウム報告書). 7-13 (2001)
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[Publications] 古矢 旬: "宗教倫理と政治統合-アメリカ合衆国の場合"東洋学術研究. 40・2. 171-193 (2001)
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[Publications] 古矢 旬: "アメリカ・デモクラシーの特質とは何か-政治外交史の文脈から考える"世界. 698. 59-69 (2002)
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[Publications] 新川 敏光: "戦後社会保障政策の過程と構造"季刊社会保障研究. 37・1. 4-16 (2001)
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[Publications] 新川 敏光: "カナダ福祉国家研究の地平"大原社会問題研究所雑誌. 519. 1-17 (2002)
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[Publications] 大津留(北川)智恵子: "Toward a Solid Civic Triangle : Emerging Relationships between Citizens, Civil Society, and Local Governance"Takeshi Matsuda, ed., The Age of Creolization in the Pacific(Keisuisha). 257-299 (2001)
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[Publications] 大津留(北川)智恵子: "『理念の共和国』の強さと危うさ"季刊民族学. 99. 29-31 (2002)
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[Publications] 久保 文明: "2000年アメリカ大統領選挙:最近の民主党の変化を中心に"『最近の世界の動き 11』(山川出版社). 6-11 (2001)
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[Publications] 久保 文明: "近年の米国共和党の保守化をめぐって-支持団体の連合との関係で"法学研究(慶應義塾大学). 75・1(掲載予定). (2002)
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[Publications] 久保 文明: "米国民主党の変容-「ニュー・デモクラット・ネットワーク」を中心に"選挙研究. 17(掲載予定). (2002)
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[Publications] 久保 文明: "ブッシュ政権の外交政策決定過程"(財)世界平和研究所「米国新政権における対外政策とその形成過程に関する調査研究」(産業研究所委託調査)プロジェクト研究報告書. (近刊). (2002)
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[Publications] 豊永 郁子: "1980年代英国サッチャー政権下における住宅政策-公営住宅払い下げ政策を中心にして"住宅・土地問題研究論集((財)日本住宅総合センター). 23. 165-182 (2001)
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[Publications] 豊永 郁子: "The Rise of Thatcherism? The Koizumi Phenomenon in a Comparative Perspective"Amy McCreedy, ed., Undercurrents in Japanese Politics(Woodrow Wilson Center Asia Program). (近刊). (2002)
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[Publications] 豊永 郁子: "リーダーシップ"福田有広・谷口将司編『デモクラシーの政治学』(東京大学出版会). (近刊). (2002)
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[Publications] 李 鐘元: "The Possibility of Regional Security Framework on the Korean Peninsula"Paper presented at the 2001 Hong Kong Convention of the International Studies Association. (近刊). (2002)
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[Publications] 李 鐘元: "朝鮮半島と日本-歴史和解の成熟に向けて"船橋洋一編『いま、歴史問題にどう取り組むか』(岩波書店). 127-145 (2001)
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[Publications] 加納 啓良: "窒息するレフォルマシ MPR総会に向かうインドネシア政局"インドネシア・ニュースレター(日本インドネシアNGOネットワーク). 38. 3-5 (2001)
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[Publications] 加納 啓良: "グス・ドゥルからメガワティへ-政権交代の事実経過と意味"インドネシア・ニュースレター(日本インドネシアNGOネットワーク). 39. 3-5 (2001)
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[Publications] 加納 啓良: "ジャカルタと東京-近郊住宅地の比較社会学"東京大学東洋文化研究所『アジアを知れば世界が見える』(小学館). 342-352 (2001)
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[Publications] 遠藤 泰生: "Thailand, Indonesia : The Possibility of Inter-University Cooperation in the Study of the Pacific Region"Reports on Pacific Area Studies Research Centers(Center for Pacific and American Studies, University of Tokyo). 51-56 (2001)
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[Publications] 遠藤 泰生: "Japan's Self-Portrait Reflected in the Pacific Ocean"Framing the Pacific in the 21^<st> Century : Coexistence and Friction (Center for Pacific and American Studies, University of Tokyo. 49-69 (2001)
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[Publications] 大津留(北川)智恵子(共著): "Nationalism and Citizenship, III-IV."JCAS. 63,46 (2001)
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[Publications] 久保 文明(共著): "国際社会研究I 現代アメリカ政治"放送大学教育振興会(近刊). (2002)
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[Publications] 加納 啓良(共著): "Beneath the Smoke of the Sugar Mill : Javanese Coastal Communities during the Twentieth Century."AKATIGA and Gadjah Mada Univeristy Press. 335 (2002)
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[Publications] 加納 啓良(編著): "岩波講座 東南アジア史6 植民地経済の繁栄と凋落"岩波書店. 352 (2002)