2002 Fiscal Year Annual Research Report
医療用放射性同位元素生成用実用型APF-IH線形加速器の研究
Project/Area Number |
12490013
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Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
服部 俊幸 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教授 (50134648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林崎 規託 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助手 (50334537)
小栗 慶之 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教授 (90160829)
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Keywords | 医療用放射性同位元素 / APF-IH型線形加速器 / 小型実用型加速器 / 小型、省電力型 / RI製造用加速器 / 低エネルギー加速 |
Research Abstract |
本研究では昨年度までに,東京工業大学原子炉工学研究所・服部研究室において開発したIH線形加速器を,粒子軌道シミュレーションの結果をもとにAPF-IH加速構造に改造をおこない,共同研究先のルーマニア物理・核工学研究所にて陽子加速試験に成功している。本年度は,重陽子以上のイオン加速を目的として加速空洞冷却系の一部改良と,日本において開発した新しいイオン源と磁場分析システムをルーマニアに輸送し,総合加速実験をおこなった。 内容的には,新しいイオン源については磁場分析系も含めた試運転を日本において実施し,ビーム電流が数10μAの陽子ビームを30keVのエネルギーで引き出すことに成功した。また,磁場分析系も十分に各種の水素イオンを分離可能なことを確認した。これらの機器類は共同研究先の実験室に到着後,現地メンバーが準備した高周波電源,真空システムおよび冷却系とともに加速空洞に組み込まれた。実験準備段階におこなわれた,真空試験,高周波試験およびイオン源試験は良好な成績であった。重陽子用に改良されたAPF-IH型線形加速器のビーム試験は2段階に分けて,まず初めに水素分子イオンとヘリウムイオンを加速し,加速器性能に関する特性解析をおこなった。これまでの成果は,国際ジャーナル誌に掲載されている。そして現在は,重陽子加速による放射性同位元素生成の予備実験について,準備を進めているところである。 今後の予定としては,本装置を用いたPIXE法やRBS法による元素分析等の実験研究が可能であるため,分析研究に活用することを計画中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Hattori, K.Yamamoto, N.hayashizaki: "A study of a test APF-IH type linac as an injector for cancer therapy"Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B. 188. 221-224 (2002)
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[Publications] K.Yamamoto, T.Hattori, N.Hayashizaki: "Acceleration Test of APF-IH type implanter"Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B. 188. 229-232 (2002)
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[Publications] T.Hata, T.Hattori, E.Osvath, D.Dudu: "Design of Heavy ion APF-IH linac for atomic physics and medical use"Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B. 188. 238-242 (2002)