2000 Fiscal Year Annual Research Report
赤血因子(エリスロポエチン)の神経栄養因子としての機能
Project/Area Number |
12490019
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 隆造 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (60077378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神戸 大朋 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (90303875)
増田 誠司 京都大学, 生命科学研究科, 助教授 (20260614)
永尾 雅哉 京都大学, 生命科学研究科, 助教授 (10237498)
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Keywords | エリスロポエチン / 脳 / 神経保護 / アストログリア / 低酸素 / 転写 / mRNA安定化 |
Research Abstract |
申請者らは造血因子エリスロポエチン(EPO)が、中枢神経系において予期せぬ神経栄養因子(ニューロトロフィックファクター)としての機能を持つことを発見した。本研究は、脳EPOを生産するアストログリアにおけるEPO遺伝子発現の制御機構を解明することを目的として行い以下の結果を得た。 アストログリアにおけるEPO遺伝子発現の低酸素に誘導が、転写促進によるものかmRNA安定化によるものなのかを調べた。核を使用した転写実験よりアストログリアEPO mRNAの低酸素による誘導には転写誘導の寄与があることが判明した。脳内でのEPO遺伝子の低酸素誘導発現に必要な部位はいまだ不明である。EPO遺伝子の5'側上流をレポーター遺伝子に連結し、アストログリア細胞株を用いてレポーターの一過的発現を解析したところ、EPO遺伝子上流35-40kb付近にレポーターの発現を促進する領域があることを発見し、これがアストログリアにおけるEPO遺伝子の低酸素誘導性に関与しているのではかと考えている。この領域には、HIF-1やHNF4などEPO遺伝子の低酸素誘導に関わる因子が結合部位が存在することを明らかにした。 また、低酸素によりEPO mRNAは安定化された。そして、EPO mRNAの3'側非翻訳領域に特異的に結合する蛋白質を発見した。この蛋白質は低酸素状態でのみ発現が見られ、EPO mRNAの安定化に関係のある蛋白質であるかもしれない。さらに、この蛋白質はアストログリアで特異的に低酸素に応答して誘導され、肝臓のEPO生産細胞ではこのような誘導は観察されない。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] R.Sasaki ら: "Engthropoietic, neurotrophic,and angiogenic functions of engHropaietin and regulation of its production"Int.J.Hematol.. 70. 1-6 (1999)
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[Publications] R.Sasaki ら: "A new bological strategy for high productivity of recombinant proteins in animal cells by the use of hypohia-reoponse enhances"Biotech,Bioeng.. 67. 157-164 (2000)
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[Publications] R.Sasaki ら: "Oviduct produces anythropoietin in an astrogen-and orggon-dependent manner"Am.J.Phyoiol.. 278. E1038-E1044 (2000)
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[Publications] R.Sasaki ら: "Tiscue-ragulation of engrhropoirtin production in mouse kidney, brain and uterus"Am.J.Phyicol.. 279. E1242-E1248 (2000)
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[Publications] R.Sasaki ら: "Eythropoietin : Mulriple physiological functions and regulation of biooynthesis"Biosci.Biofechnol.Biochem.. 64. 1775-1793 (2000)