2000 Fiscal Year Annual Research Report
地域文化振興および社会教育と芸術ホール-日本の公立芸術ホールと米国大学ホールの比較考察
Project/Area Number |
12490029
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中矢 一義 慶応義塾大学, 法学部, 教授 (10051575)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 望 慶応義塾大学, 商学部, 専任講師 (60282810)
石井 明 慶応義塾大学, 経済学部, 助教授 (00317273)
美山 良夫 慶応義塾大学, 文学部, 教授 (70147130)
伊東 乾 東京大学, 情報学環, 助教授 (20323488)
|
Keywords | 生涯学習 / 芸術教育 / 音楽教育 / 社会教育 / 日米比較 / アートマネージメント / 文化行政 / 大学教育 |
Research Abstract |
本研究は、地域社会における芸術文化の役割に目を向け、学術的な観点から芸術ホール事業を、地域振興と社会教育の観点から評価し、かつそれを米国の先進例と比較するものである。これによって、我が国における芸術ホール事業運営理念の再構築を目指している。 本年は、この国内公立芸術ホールの従来の活動に関する事業実績評価活動を総括するための資料・情報収集活動に特に重点を置いた。内外の文化会館運営関連資料、アートマネージメントに関する資料、芸術分野の生涯学習活動資料、社会教育・生涯学習、リカレント教育活動の実践や、その歴史的経緯に関する資料、また(財)地域創造、公立文化会館協議会の調査活動資料、また国や自治体の関連発行物等を広範に収集し、そのデータベース作成に着手した。 国内ホールにおける事業に関する調査としては、上記の文書資料にもとづく調査に加え、生涯学習活動、市民参加型事業に近年特に力を入れているホールや芸術文化財団(越谷コミュニティーセンター、北区文化振興財団、中部大学、びわ湖ホール、武生市文化会館[武生国際音楽祭]、新潟市民芸術文化会館、長岡リリックホール、小出郷文化会館)の事業や運営について、ヒアリング調査も含め、重点的に調査を行った。 これらの調査から、市民参加型事業のさまざまな取り組みに関するさまざまなパラメータ分析を進めている、市民を「集める」事業、市民のさまざまなレベルでのコミットメントを図る事業、それを通じて学ぶ事業という3つの柱を基軸としたさまざまな要因を整理し、最終的に、わが国の事情に即した芸術ホール事業評価指標へと発展させる作業を継続している。 さらに、本研究は米国大学ホールとの比較を目指しているが、国内ホールに関して本年行った調査を米国の大学ホールに関して行えるよう、文書資料と各大学の事業担当者と連絡をとることによって、予備的調査を進めている。
|