2003 Fiscal Year Annual Research Report
地域文化振興および社会教育と芸術ホール――日本の公立芸術ホールと米国大学ホールの比較考察
Project/Area Number |
12490029
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中矢 一義 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (10051575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 明 慶應義塾大学, 経済学部, 助教授 (00317273)
美山 良夫 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (70147130)
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Keywords | 生涯学習 / 芸術教育 / 音楽教育 / 社会教育 / 日米比較 / アートマネージメント / 文化経済学 / 文化行政 |
Research Abstract |
本研究は、地域社会における芸術文化の役割に目を向け、公立芸術ホール事業を、地域文化振興と社会教育の観点から評価し、かつそれを米国の先進例と比較するものである。これによって、我が国における公立芸術ホール事業運営理念の再構築を目指した。 2004年度の研究活動の主な目的は、過去3年間行ってきた研究の総括にあった。これまでに調査した諸項目を整理し、データ蓄積作業を継続した。特に、2002年7月に行った、公立芸術ホール実務担当者を招いてのシンポジウム「21世紀の公立芸術ホール--理念・目標・事業・評価のサイクル確立のために」の結果を発展させ、これを本研究の統括の基盤とした。ここでは、公立芸術ホール運営における様々な活動マトリクスにおける理念作りと運営指針、評価指針に関するガイドライン開発も行った。 これまでアメリカで行ってきた海外調査についても再考察・再検証を行った。海外調査の対象としてきたのは、アメリカオレゴン州ポートランド市、ノースカロライナ州ダーラム市、マサチューセッツ州アマースト市それぞれの地域の一群の大学である。さらには、ワシントンDCに位置するスミソニアン財団、国会図書館なども調査も2002年度に行っている。また、海外調査の他に今年度も国内施設の調査を行い、静岡県、京都市、沖縄県の各地を訪れた。 社会教育(生涯教育)の観点からは、2002年秋に横浜市民大学講座と連動する形で、多様な企画からなる芸術イベント・モデル事業を実施したが、そのとき収集した基礎データおよびそこへ参加した地域住民へのアンケート調査をまとめ、市民との共同・生涯学習プログラムのモデル作りを試みた。これは、公立芸術ホールの事業と密接な関係が今後一層期待される。
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