2001 Fiscal Year Annual Research Report
高次視覚における統合実験環境とシミュレーション・モデルの構築に関する研究
Project/Area Number |
12551001
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
横澤 一彦 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (20311649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 純一郎 広島大学, 教育学部・心理学科, 講師 (30322241)
齋木 潤 京都大学, 大学院・情報学研究科, 助教授 (60283470)
熊田 孝恒 独立行政法人 産業技術総合研究所, 人間福祉医工学部門, グループ長 (70221942)
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Keywords | 高次視覚 / シミュレーション・モデル / 線運動錯視 / パルスニューラルネットワーク / 注意の瞬き / LOC分析 |
Research Abstract |
シミュレーション・モデル構築を目指す高次視覚研究を展開した。線運動錯視探索のモデル(Kawahara & Yokosawa, 2001)では、探索の誤答率を,線運動がおのおの独立して生起するという仮現運動モデルによって予測した。その結果、様々な状況での探索成績がこのモデルで予測可能であることを確認すると共に、線運動錯視が視覚的注意によって起こる場合と,独立して画面内の複数の位置で起こる仮現運動によって起こる場合があることが示唆された。視覚的選択過程モデル化(Kumada & Humphreys, in press)を試みた結果、従来の認知心理学における反応時間の分析では、正答反応のみが分析の対象として用いられてきたが、誤答の反応時間が、正答の反応時間の分布と比較した場合に極めて有意義なデータをもたらすことを発見し、それらを可視化する手法としてLOC分析(Latency Operation Characteristics analysis)を開発した。パルスニューラルネットワークモデル(齋木,印刷中)を使って、選択的注意のモデルとして,CrickとKochの提案した視覚的注意の時間タグ付け仮説を実装し,視覚的注意の神経生理学の古典的知見であるMoran & Desimone(1985)の結果をシミュレートした。第2標的への遅延マスキングがない場合にも注意の瞬きが見られる場合があることを実験的に見いだしたので、表象減衰による注意の瞬きモデル(Kawahara, in press)を提案し、第2標的の視覚表象は時間経過とともに減衰することによって、注意の瞬きが起こる過程の説明をした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kawahara, J., Yokosawa, K.: "Preattentive perception of multiple illusory line motion : A formal model of parallel independent-detection in visual search"Jourmal of General Psychology. 128・4. 357-383 (2001)
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[Publications] Kumada, T., Humphreys, G.W.: "Early selection induced by perceptual load in a patient with frontal lobe damage : External vs internal modulation of processing control"Cognitive Neuropsychology. (印刷中).
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[Publications] 齋木 潤: "視覚的注意のパルスニューラルネットワークモデル"認知科学. (印刷中).
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[Publications] Kawahara, J.: "Facilitation of local information processing in the attentional blink"Psychoiogical Research. (印刷中).
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[Publications] Yokosawa, K., Kumada, T.: "Voluntary Aspects of Attentional Control Setting for Detecting A Feature-Defined Target"Japanese Psychological Research. (印刷中).
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[Publications] Matsuzaki, N., Shigemasu H., Ito N., Yokosawa K.: "Environment for Psychological Experiments on the Internet"Educational Technology Research. (印刷中).