2000 Fiscal Year Annual Research Report
世論調査環境の変容と「世論」概念及び政治意識の変化
Project/Area Number |
12552001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阿部 四郎 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (20000664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 誠 東北学院大学, 法学部, 教授 (50146114)
新川 達郎 同志社大学, 大学院・総合政策科学研究科, 教授 (30198410)
添谷 育志 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (30004170)
片瀬 一男 東北学院大学, 教養学部, 教授 (30161061)
井上 義比古 東北学院大学, 法学部, 教授 (90176454)
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Keywords | 世論調査 / 世論 / 政治意識 / 没動票化 / 支持ナシ |
Research Abstract |
1972年から1996年までの9回の衆議院選挙に際し、連続して定点観測的に実施してきた一般有権者を対象とする政治意識に関する標本調査の累積の上に、本研究の初年度には2000年衆議院選挙に際して調査を実施し、第10回目の調査データを加え、時系列的な解析を行った結果、以下のような知見が得られた。 (1) 投票参加に関して、投票率に関連する「主体的要因」及び「客体的要因」のいずれも低下傾向にあるが、「政党支持ナシ」層の量的増大は、その特質を多様化し、「支持ナシ」=「棄権」という等式は必ずしも成立なくなる。 (2) 投票行動の「浮動化」-投票日間際の投票意図決定、政党と投票の一致、前後二回の投票行動の不一致で測定-現象がなお継続している。 (3) 棄権者の「棄権動機」及び投票者の「投票動機」において動員的要因よりも選択的要因の比重が増している。 (4) 90年代の政界再編劇の過程で、政権選択と投票行動の対応関係が明瞭になりつつある。 (5) 投票意図決定要因に関し、組織経路の情報の比重が低下し、マスコミ報道の比重が増大している。 また、政治意識に関する本調査、及び他機関による世論調査の回収結果の分析を通じ、全般的に回収率の低下傾向にあること、標本の社会的属性別に回収率の偏りがあることが見出された。
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