2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12554001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桂 利行 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40108444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 晃史 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (10211848)
寺杣 友秀 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (50192654)
岡本 和夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40011720)
岡本 龍明 NTT, 情報流通プラットフォーム研究所, 特別研究員
高山 信毅 神戸大学, 理学部, 教授 (30188099)
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Keywords | 正標数 / 形式的ブラウワー群 / カルチエ作用素 / モジュウイ空間 / チャウ群 / 公開鍵暗号 / 量子計算機 / NP問題 |
Research Abstract |
研究代表者は,岡本龍明(NTT)を客員教授に迎え連携併任講座「符号暗号」をオーガナイズし,標題の研究をおこなった.Aを正標数の代数的閉体k上のアーベル曲面とし,Φ_AをAの形式的Brauer群,hをΦ_Aの高さとする.よく知られているように1【less than or equal】h【less than or equal】2またはh=∞である.Z_1をd閉1形式としCをZ_1で定義されたCartier作用素とする.層Z_iをKer dC^<i-1>として帰納的に定義する.Mをレベルl(l【greater than or equal】3)構造を持つ主偏極アーベル曲面のモジュライ空間,π:A→Mをその普遍族とする.υ=π_*Ω<2【chemical formula】/M>とおけば,これはMのChow群の元を与える.M^<(h)>={A∈M|height Φ_A【greater than or equal】h}とおく.このとき,M=M^<(1)>⊃M^<(2)>⊃M^<(∞)>となる.x∈Mを(A,D,σ)に対応する点とし,Im H^1(A,Z_h)を自然な単射Z_h→Ω<1【chemical formula】>から誘導された準同型写像H^1(A,Z_h)→H^1(A,Ω^1_X)の像とする.これらの記号の下に,Φ_Aの高さh<∞のとき,Im H^1(A,Z_h)=7-hが成立する.M^<(h)>のxにおける接空間は{Im H^1(A,Z_h)}∩D^⊥⊂H^1(A,Ω<1【chemical formula】>)と同型であることが示せる.とくに,M^<(h)>の次元は,dim M^<(h)>=20-hとなり,Chow群CHl^1_Q(M)におけるM^<(2)>の類は(p-1)υで与えられる.最後の部分は結果としては知られていたが,我々は新しい枠組みでの定式化をおこなった.この枠組みにおいてはM^<(∞)>にスキームの構造を自然に入れることができ,そのスキームがnon-reducedな構造を持つがわかる.また,岡本龍明は,量子計算機の利用を前提とした「量子公開鍵暗号」という新しい暗号の概念を提案した.将来量子計算機が実現されれば,現在使われている公開鍵暗号のほとんどは解読される.この問題を解決することは応用上重要であり,岡本の提案はNP困難問題である部分和問題に基づき代数的整数論を用いて,その具体的な構成を行うものである.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] G.vander Geer & T.Katsura: "On a stratification of the moduli of K3 surfaces"J.Eur.Math.Soc.. 2. 259-290 (2000)
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[Publications] G.vander Geer & T.Katsura: "Formal Brauer groups and a stratificatin of the moduli of abelian surfaces"to appear in Proc.of Intl.Conf.in Texel,1999.
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[Publications] 桂利行: "デジタルの数学"数学のたのしみ. 21. 54-65 (2000)
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[Publications] T.Terasoma: "Convolution theorem for non-degenerate maps and composite singularities"J.Algebraic Geometry. 9. 265-287 (2000)
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[Publications] E.Fujisaki & T.Okamote: "Achosen-Cipher Secure Encryption Scheme Tightly as Secure is Factoring"IEICE Transactions. E84-A-1. 179-187 (2001)