2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12554019
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大谷 栄治 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60136306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 友明 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40312540)
鈴木 昭夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20281975)
近藤 忠 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20252223)
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Keywords | ダイヤモンドアンビル / FTIR / 顕微赤外分光システム / ケロジェン / コロネン / 硫酸マグネシウム / 隕石 |
Research Abstract |
本研究では,水,メタン,アンモニア及びそれらの混合物の超臨界状態での性質を解明するために,温度領域を実現し,FTIR顕微赤外分光システムに組み込むことが可能な小型外熱式高温ダイヤモンドアンビル装置を試作し,超高圧高温顕微赤外文光システムを確立することを目的とした。本研究では、赤外吸収スペクトル測定の可能な小型外熱ダイヤモンドアンビルを試作した。赤外吸収測定に用いるタイプII型と呼ばれている不純物の少ないダイヤモンドとしては,人工合成のダイヤモンド(スミクルスタル)を使用した。ダイヤモンドのキュレット面は直径600μm,厚さは1.0mmである.また,ガスケットにはステンレス(厚さ250μm)またはinconel(厚さ100μm)の板に,直径300μmのサンプルホールをあけたものを使用した.このダイヤモンドアンビル装置とFTIR装置と組み合わせることによって、高圧下で赤外吸収スペクトルを測定することが可能となった。また,このこのシステムを用いて、顕微ラマン分光測定も可能になった.本研究においては,これらのシステムを用いて,隕石や彗星に見い出されているケロジェン様物質やコロネンなどの有機物とともに,原子的な隕石であるC1コンドライトの低温成分として重要な成分である硫酸マグネシウム水和物の高温高圧安定性を明らかにした。ケロジェンは常温では,少なくとも9GPaまで安定であり、1.5GPaでは250℃以上で分解し、コロネンは1.3〜3.3GPa、300℃までの条件で安定であることが明らかになった。この装置を用いて今後さらに高圧領域において同様の測定を試みる予定である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] E.Ohtani et al.: "Stability field of new hydrous phase S-AlooH, with implications for water transport into the deep mantle"Goophysical. Research Letters. 28. 3991-3993 (2001)
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[Publications] 鈴木昭夫, 近藤忠, 大谷栄治: "顕微ラマン分光法を使用した微小試料の解析"岩石鉱物科学. 30. 241-246 (2001)
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[Publications] 赤川建一, 大谷栄治 他: "高圧下でのPAHとケロジェルの安定性とその氷天体内部への適用"地球惑星科学関連学会2001年合同大会講演要旨. Ad-002. (2001)