2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12554025
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石黒 慎一 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (80111673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅林 泰宏 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (90311836)
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Keywords | 熱測定 / 滴定カロリメトリー / 溶媒和 / パラジウム / 非水溶媒 / 生成熱力学パラメータ |
Research Abstract |
有機金属錯体の生成熱を直接カロリメトリーで測定できれば、その結合性についてより詳細な情報を得ることが出来る。本研究では、一連のパラジウム(II)錯体について、滴定カロリメトリーにより研究するための、新たな測定セルの設計を行った。合成される錯体量が少ないため、これまでより少量で測定できるセルを必要とする。サーモモジュールを用いる外部センシング方式は微少温度変化測定に適しており、第一候補として検討してきたが、この方式は応答が遅く、反応熱の速度論的追跡が難しいことがわかった。最終的に、サーミスターを用いる内部センシング方式で少量化することに変更した。この場合、気密性を完全にすることが難しいが、高温での測定を犠牲にすれば特に問題はない。セル材は、強度を保つため、非水系での測定に耐えるこれまでのテフロンからステンレスに変更して制作中である。既存のセルを用いて、反応速度の遅い系での熱測定法を確立することが必要であることがわかった。実際、DMFやDMA中でのパラジウムのハロゲノ錯体の反応は遅く、比較的はやいDMSO中のデータに比べてばらつきが大きくなる。反応の遅い系での反応熱を精度良く決定するには、反応速度を別途、決定しておけばよい。このため、分光光度法による反応解析システムを構築して、パラジウム錯体の吸収スペクトルの変化とその温度依存性から生成定数と生成熱力学パラメータ、ならびに速度定数と活性化パラメータを決定できるようにした。カロリメトリーと分光光度法により得られるエンタルピーを比較検討し、遅い反応のカロリメトリーにおける問題点を検討した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Komiya: "Ternary complexation of manganese (II) and cadmium (II) with 1,10-phenanthroline and halide or thiocyanato ions in N,N-dimethylformamide"J.Solution Chem.. 29/2. 165-182 (2000)
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[Publications] M.Shin: "Formation of Copper (II) Thiocyanato and Cadmium (II) Iodo Complexes in Micelles of Nonionic Surfactants with varying Polyelethyleneoxide"J.Colloid Interface Chem.. 225. 112-118 (2000)
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[Publications] R.Kanzaki: "Influence of Charge on Adduct Formation of [M(phen)_3]^<2+> (M=Ru^<2+>,Co^<3+>,Si^<4+>) with 1,10-phenanthroline in Aqueous Solution"Chem.Phys.and Phys.Chem.. 2. 3825-3830 (2000)
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[Publications] R.Kanzaki: "Distribution thermodynamics of 1,10-phenanthroline in nonionic surfactant Triton X-100 micelles"Chem.Phys.and Phys.Chem.. 3. 824-828 (2001)
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[Publications] M.Komiya: "Unusual interaction of diiodo complex of zinc (II) with 1,10-phenanthroline in N,N-dimethylformamide"Chem.Phys.and Phys.Chem. 3. 224-229 (2001)