2000 Fiscal Year Annual Research Report
フッ素化フェニレン化合物の有機ELディスプレーへの実用化研究
Project/Area Number |
12554027
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
鈴木 敏泰 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (60260030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
時任 静士 (株)豊田中央研究所, 第一特別研究室, 研究員
阪元 洋一 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (80321602)
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Keywords | 有機EL素子 / アモルファス / 電子輸送材料 |
Research Abstract |
有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子は次世代のフラットディスプレーとして注目されているが、これを構成する電子輸送材料は選択の余地がないほどに少ない。このため我々は全フッ素置換されたフェニレンデンドリマーを設計し、C_<60>F_<42>およびC_<132>F_<90>を既に合成している。今年度は、直線状のオリゴマーであるperfluoro-p-quinquephenylからoctiphenyl(PF-5P,6P,7P,8P)の合成と評価を行った。これらの化合物は無色の固体で、有機溶媒に不溶である。DSCの測定ではガラス転移は観測されなかった。ITO基板上にTPTEをホール輸送層、,Alq3を発光層、フッ化フェニレンを電子輸送層、LiFを電子注入層、アルミニウムを陰極として真空蒸着し、有機EL素子を作成した。これらの直線状のオリゴマーは、デンドリマーに比べはるかに優れた性能を示した。PF-6Pの誘導体では、最高輝度が10Vで19970cd/m^2に達した。PF-7PおよびPF-8Pの輝度-電圧、電流-電圧曲線はPF-6Pのそれとほとんど同じであった。これは電子注入よりも電子移動が律速になっているためであると考えている。また、フッ素化ナフタレンのオリゴマーであるperfluoro-2,6-ternaphthaleneおよびquaternaphthalene(PF-3N,4N)を合成し、素子としての評価を行った。これらの性能は現在最もよく使用されているAlq3に匹敵した。現在これらの材料の実用化、販売を化学メーカーとの共同で進めている。
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