2001 Fiscal Year Annual Research Report
染色体工学・発生工学を用いたヒト型MHCマウスの作出
Project/Area Number |
12554036
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
池村 淑道 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 教授 (50025475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 宏志 中外製薬株式会社, 創薬資源研究所, 主任研究員
深川 竜郎 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 助手 (60321600)
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Keywords | 人工染色体 / MHC / DT-40 / セントロメア / ゲノム工学 / 染色体工学 / 発光工学 / 染色体ベクター |
Research Abstract |
遺伝子工学やトランスジェニック動物作成技術が医学、農学、薬学等のあらゆる分野の進歩に多大な貢献をしていることは言うまでもない。遺伝子組換えによるワクチンやホルモン等の有用産物の生産、あるいは遺伝子治療などの遺伝子工学技術は、基礎生物学から得られた知見が応用され、社会に貢献した例である。個々の遺伝子を解析して有用遺伝子産物を大量に生産させたり、ある病因遺伝子を同定して、正常型遺伝子を患者に導入することが行われている。一方で個々の遺伝子の導入のみでは効果が期待できない場合も数多く予想される。遺伝子産物の正常な機能発現のためには複数の遺伝子群が関与している例が多い。例えば、ヒトの免疫応答には多数の遺伝子群が関与して、ゲノム再編を含む巧妙な機構によってその複雑な機能を実現している。単一の遺伝子を個体に導入するだけでは、期待する効果を実現することは期待できない。我々は広領域の遺伝子群を解析し、改変する目的で染色体工学的な手法を用いている。数Mbから数十Mbレベルの大きさのヒトの小型化染色体を、哺乳類細胞の数十から数百倍の高頻度で相同組み換えを起こすニワトリDT40細胞へ移行させ、宿主DT40細胞中でヒト染色体を効率よく改変している。本年度は人工染色体の作成のために必須であるセントロメァの機能解析を中心に研究を進めた。複数のセントロメアタンパク質のノックアウト解析を通じて・セントロメアの形成機構についての基礎生物学的知見を得た。また、人工染色体にクローン化を予定しているMHCの大規模なゲノム解析も同時に進めた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Watanabe: "Chromosome-wide assessment of replication timing for human chromosomes 11q and 21q : disease-related genes in timing-switch regions"Human Molecular Genetics. 11. 13-21 (2002)
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[Publications] T.Fukagawa: "CENP-H, a constitutive centromere component, is required for centroniere targeting of CENP-C in vertebrate cells"The EMBO Journal. 20. 4603-4617 (2001)
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[Publications] T.Fukagawa: "Creation and characterization of temperature-sensitive CENP-C mutants in vertebrate cells"Nucleic Acids Research. 29. 3796-3803 (2001)
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[Publications] A.Okamura: "Gene Structure, chromosomal localization and immunolocalization of chicken centromere proteins CENP-C and ZW10"Gene. 262. 283-290 (2001)
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[Publications] T.Shina: "Genomic anatomy of a premier major histocompatibility complex paralogous region on chromosome 1q21-q22"Genome Research. 11. 789-802 (2001)
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[Publications] S.Kanaya: "Analysis of codon usage diversity of bacterial genes with a self-organizing map (SOM) : characterization of horizontally transferred genes with emphasis on the E. coli O157 genome."Gene. 276. 89-99 (2001)