2002 Fiscal Year Annual Research Report
染色体工学・発生工学を用いたヒト型MHCマウスの作出
Project/Area Number |
12554036
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
池村 淑道 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 教授 (50025475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深川 竜郎 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 助教授 (60321600)
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Keywords | 人工染色体 / MHC / DT40細胞 / セントロメア / ゲノム工学 / 染色体工学 / 発生工学 / 染色体ベクター |
Research Abstract |
遺伝子工学やトランスジェニック動物作成技術が医学、農学、薬学等のあらゆる分野の進歩に多大な貢献をしていることは言うまでもない。近年、染色体工学や発生工学的技術が注目を受けている。我々は広領域の遺伝子群を解析し、改変する目的で染色体工学的な手法を用いて研究を行っている。数Mbから数十Mbレベルの大きさのヒトの小型化染色体を、哺乳類細胞の数十から数百倍の高頻度で相同組み換えを起こすニワトリDT40細胞へ移行させ、宿主DT40細胞中でヒト染色体を効率よく改変している。昨年度までに安定に保持される人工染色体の基礎生物学的知見を得る目的で、人工染色体のセントロメアDNAの複製タイミングを測定した。自律複製する染色体のセントロメア領域のDNA複製タイミング(S期後半に複製)は、宿主の染色体ヘインテグレートしてしまった同じ配列のDNA複製タイミング(S期前半から中間で複製)とは明らかに異なっていた。また、人工染色体作成にはセントロメアの機能を解析することが重要と考え、遺伝子ノックアウト法を用いて複数のセントロメアタンパク質の解析を行った。本年度は遺伝子ノックアウト解析に加え、ヒトMHC領域を持っ染色体をDT40細胞へ移行させてDNAチップを用いてDNA複製タイミングを測定することを試みた。さらに、DT40細胞からES細胞を移行させる準備を行った。ここで得られた知見は、将来的にヒト型MHCを保有するマウスの作出に基礎知識を与える。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ai Nishihashi: "CENP-I is essential for centromere function in vertebrate cells"Developmental Cell. 2. 463-476 (2002)
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[Publications] Jenny M. Spence: "Co-localisation of Centromere Activity, CEN Proteins and a Topoisomerase II Cleavage Site to a fixed region of limited extent within the Human X α-satellite Locus DXZI"The EMBO Journal. 21. 5269-5280 (2002)
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[Publications] Tomoko Hayashi: "Ubc9 is essential for viability of higher eukaryotic cells"Experimental Cell Research. 280. 212-221 (2002)
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[Publications] Yoshihisa Watanabe: "Chromosome-wide assessment of replication timing for human chromosomes 11q and 21q : disease-related genes in timing-switch regions"Human Molecular Genetics. 11. 13-21 (2002)