2000 Fiscal Year Annual Research Report
生体中の光吸収による超音波音速変化を利用した光断層画像装置の開発
Project/Area Number |
12555014
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
堀中 博道 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (60137239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松中 敏行 アロカ株式会社, 超音波プローブ開発部, 部長
和田 健司 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (40240543)
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Keywords | 超音波 / 光断層画像 / 生体組織 / 光吸収 / 光散乱 / 音速 / 分光特性 / 医療診断 |
Research Abstract |
生体擬似物質内で光照射による超音波の速度変化の信号を検出し、測定法の改良を行い、一体化した装置を作製した。 まず、超音波トランスデューサー(5MHz)とRFロックインアンプ、高速ディジタルオシロスコープを用いて、散乱媒質(Intralipid水溶液)内にある吸収体内に生じる光照射による温度変化で生じる超音波位相変化を測定した。その結果、光照射による超音波の位相変化、あるいは、パルスの到達時間の変化は吸収体内部のみで生じること、また、散乱係数が20cm^<-1>に至る完全拡散光の中で光照射による位相検出が可能であることが確認された。報告されている人の脳の散乱係数は約18cm^<-1>であり、生体に匹敵する高い散乱係数の媒質中において、数cmの測定距離で適用可能であることが示された。 次に、試料に対して超音波ビームを走査し、位相変化を測定し、吸収分布を求めた。試料として一部を着色した寒天を用いた。散乱係数が20cm^<-1>の媒質の中で透過超音波の振幅と光照射による位相変化を投影データとして検出し、フィルター逆投影法を用いて画像の再構成を行った。その結果、超音波の振幅からは吸収体の輪郭のみが画像化されたが、光照射による位相変化からは、試料の着色領域が画像化され、光情報が得られていることが示された。 これらの測定結果と実験の過程で得られた知見をもとに、光学・超音波系、信号処理系を再検討し、ラックに納めて小型装置としてまとめた。パソコンで信号の検出から画像までの表示まで行うために、タイムインターバルカウンターをディジタルオシロスコープと併用し、さらに超音波トランスデューサー走査用の微動装置を一部変更した。現在、超音波の走査、信号検出、データ保存までを自動化している。
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[Publications] H.Horinaka,K.Wada,A.Okasaka,Y.Cho,T.Matsunaka,S.Syouhei: "Optical Computed Tomography Imaging of Absorbers Hidden in Scattering Medium by Detection of Ultrasonic Phase-Shift Caused by Laser Illumination-Ultrasonic Velocity Imaging-"Proc.of 2000 IEEE Ultrasonic Symposium (Puerto Rico, 2000). (印刷中). (2001)
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[Publications] 堀中博道: "光吸収による超音波速度変化を利用した光断層イメージング"精密工学会誌. Vol.67,No.4(印刷中). (2001)