2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12555018
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
堂山 昌男 帝京科学大学, 理工学部, 教授 (40010748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津野 勝重 日本電子株式会社, 基礎研究部, 第一研究室長
栗原 俊一 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (60215069)
木暮 嘉明 帝京科学大学, 理工学部, 教授 (20016124)
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Keywords | 陽電子顕微鏡 / 陽電子 / 顕微鏡 / 透過型 |
Research Abstract |
堂山、木暮は京都大学原子炉実験所において、ニッケル箔を高速中性子で照射し、58Coを作り、これを陽電子線源にして、真空中において、タングステン箔を通し、陽電子を減速させた。これを円筒レンズを用いて、収束させることに成功した。第一円筒の内径は11mmであり、長さ407mmの黄銅を用い、-1kVをニッケル箔に対して与えた。2mmの間隔を置き、第2の円筒の直径は同じく11mmの黄銅円筒を用い、これには-5kVの電圧を与えた。隙間から57.1mmのところにイメジングプレートを置き、収束の実験をした。58Co(ニッケル箔)は直径10mmであったが、結んだ像は0.4mm直径となり、陽電子の収束に完全に成功した。さらに同円筒を3本使ってアインツエル型の陽電子レンズを設計しつつある。このほうが、実際の顕微鏡に入れたときに、より低い電圧で作動することがわかった。 これらの実験に基づいた設計を2000年ドイツのミュンヘンで行われた陽電子消滅の国際学会に発表し、注目を浴びた。高エネルギー加速器機構にある陽電子施設は移転のため、しばらく止まっていたが、その再開されたが、施設の一部が浸水したため、現在、陽電子が出なくなったままである。この間に京都大学原子炉実験所で原子炉を用いて陽電子線源を得て、陽電子加速、収束の実験を進めている。 われわれが世界で初めて発見したイメジングプレートを用いた陽電子画像の記録実験も京都大学原子炉実験所で行っているが、この方も非常によい結果が出ている。われわれの発表に対して、ガンマー線の影響があるのではないか。それはどの位かという質問、疑問が出ていたが、同位元素を用いて、ガンマー線に対するイメギングプレートの感度の実験を行い、2つの論文を公表することが出来た。その結果は陽電子消滅時に発する0.511kVのガンマー線の影響は桁違いに少ないことが分かり、陽電子顕微鏡の像の記録媒体として非常によいことが証明された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Masao Doyama,M.Inoue,Y.Kogure,T.Kurihara,T.Yoshiie,S.Nakagawa: "Positron Microscopes at KEK"Nuclear Inst.And Methods in Physical Research,. B171. 189-193 (2000)
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[Publications] M.Doyama,M.Inoue,T.Yoshiie,T.Kurihara: "Imaging Plates Used as Positron Microscopy-Effect of Positrons and Gamma Rays"Nuclear Inst.And Methods in Physical Research,. B171. 194-198 (2000)
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[Publications] M.Doyama,M.Inoue,T.Yoshiie,Y.Hayashi,I.Kanazawa: "Imaging Plates Used as Positron Microscopy-Effect of Positrons and Gamma Rays"Nuclear Inst.And Methods in Physical Research,. A448. 554-557 (2000)
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[Publications] M.Doyama,A.Ichida,Y.Inoue,Y.Kogure,T.Nozaki,and S.Yamada: "Partial Carbonization of Aromatic Polyimide Films"Meterials Research Society Symposium Proceedings. 593. 389-394 (2000)
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[Publications] A.Ichida,T.Nozaki,Y.Inoue,S.Yamada,M.Doyama: "Partial Carbonization of Aromatic Polyimide Films"Transaction of Materials Research Society of Japan. 25. 669-671 (2000)