2001 Fiscal Year Annual Research Report
家庭用ゲーム機プレイステーション2による大規模並列流体解析システムの構築
Project/Area Number |
12555021
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
青木 尊之 東京工業大学, 学術国際情報センター, 教授 (00184036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 正典 工業技術院, 物質工学工業技術研究所, 室長
奥村 晴彦 松阪大学, 政治経済学部, 教授 (10247760)
矢部 孝 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60016665)
塙 雅典 山梨大学, 工学部, 助手 (90273036)
野澤 恵 茨城大学, 理学部, 助手 (10261736)
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Keywords | プレイステーション2 / Linux / 並列計算 / 流体解析 / Power PC / G4 Cube / Emotion Engine / Velocity Engine |
Research Abstract |
平成11年6月にソニー・コンピュータエンターテイメント社からプレイステーション2Linux kitが発売された。一応、GNUのコンパイラも付属し、数値計算を行える環境が整った。本研究グループでは、プレイステーション2とLinux kitを20台購入し、数値計算と並列化の研究を開始した。プレイステーション2のCPUであるEmotion Engine(EE)は、単精度計算ながら6.2GFlopsのピーク性能を持つとされるが、実際に付属のコンパイラでコンパイルして数値計算を実行させると数10MFlopsであり、1/100程度の性能しか出ないことが判明した。数値計算としては、流体計算で最も負荷の大きいポアソン方程式の解法を選んだ。2次中心差分法による離散化式をSOR法で解いたものと、局所補間微分オペレータ法による4次精度の離散化を行った解法で検証を行った。計算速度が出ない理由は、付属のコンパイラではEE用の最適化コードを出力しないためである。そこで、アセンブラ言語により、EEを直に用いるコードの開発を行った。EEのベクトル・レジスタVU0を利用し、単精度計算に限定すれば300MFlops程度まで性能を引き出すことができることが判明した。しかし、理論性能との差は大きく、プレイステーション2が高速のRAMBUSメモリーを用いているからといってもメモリーとレジスター間のデータのロード・ストアーが大きな問題であることが分った。4つのベクトル・レジスタを使う際のスケジューリングを最適化することにより、ある程度の高速化ができる見込みが得られた。単精度計算に限定されるために、4次精度の場合には離散化式を解く際の計算精度に問題が生じること明らかになり、誤差を増大させない計算アルゴリズムの検討も開始した。問題点としては、プレイステーション2単体は32MBの主記憶しかなく、そこにOSを入れると残りが20MB以下になってしまう。従って、大規模計算は行えなくなるため必然的にネットワーク接続による並列計算が必要になる。Linux kitのネットワークは、PCカード(PCMCIA)であり、高速なネットワーク通信が余り期待できないが、並列計算を平成14年度の研究課題の中心とする。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Aoki: "3D Simulation for Falling Papers"Comput. Phys. Comm.. Vol.142, No.1-3. 326-329 (2002)
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[Publications] Lei-Hau Lee, 青木尊之: "PlayStation2のEmotion Engineによる数値計算"ハイパホーマンスコンピューテイングと計算科学シンポジウムHPCS2002. IPSJ Symposium Vol.2002,No.4. 65-71 (2002)
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[Publications] 吉田浩, 青木尊之: "重合格子法を用いた球面座標系での流体計算"第15回数値流体力学シンポジウム講演予稿集/CD-ROM. 134/D08-4. (2001)
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[Publications] 西田青示, 青木尊之: "IDO-AMR法による数値流体計算スキームの開発"第15回数値流体力学シンポジウム講演予稿集/CD-ROM. 134/D14-4. (2001)
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[Publications] 青木尊之, 肖鋒: "複雑形状の複雑でない計算法"情報処理. Vol.42, No.6. 551-558 (2002)
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[Publications] K.Kato, T.Aoki, T.Sekine: "並列化で苦しむ大規模アプリケーション開発"情報処理学会・研究会報告. 2001【HPC-86】. 25-30 (2001)