2001 Fiscal Year Annual Research Report
転位網自己組織化のメゾスケール非破壊直視観察システムの開発
Project/Area Number |
12555028
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渋谷 陽二 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70206150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 佳宏 神戸大学, 工学部, 教授 (10031147)
菅田 淳 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60162913)
小山 敦弘 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40324800)
川上 崇 (株)東芝, システムラボラトリー, 研究主幹(研究職)
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Keywords | 電子線誘起超音波顕微システム / 超音波信号 / 非破壊内部観察 / 転位網 / 走査型電子顕微鏡 / ナノインデンテーション |
Research Abstract |
本年度は、種々の構造体および荷重形態に対して得られる転位網自己組織化による内部構造を非破壊的に同定する直視観察システムである電子線誘起超音波顕微システム(SEAM)の開発を前年度に引き続き行った。前年度の研究により開発上の問題点として、従来のSEMの面内スキャン速度では早すぎるために、十分な超音波信号を検出することができなかったため、超スロースキャン発生装置を設置した。これにより、観察領域に照射される電子線を増やすことが可能となり、試料から発生する信号量を増加することができ、超音波信号の検出をより容易にすることができた。また、SEAMからの超音波信号は非常に微弱で、周波数が高いため、超音波信号検出器であるPZTの信号をトランジスタを用いたヘッドアンプによりインピーダンス変換を行うとともに増幅し、ノイズの影響を受けにくくした。その後、検出信号に重畳するノイズ成分を除去するために、インスツルメンテーションアンプによりノイズ除去を行い、さらに増幅することで、高周波微小信号の検出を可能とし、電子線誘起超音波信号の検出を確認した。その後、検出器により測定した超音波信号を2次元位相差像としてコンピューター上に描画するシステムの作成を行った。 そして、ダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC)薄膜、単結晶シリコン、単結晶アルミニウムなどの試料に押込み試験を行った試料をSEAMにより直接観察を行うことで超音波顕微システムの動作検証を行った。
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[Publications] 小山敦弘, 永原直哉, 丹野誠, 渋谷陽二, 冨田佳宏: "DLC薄膜の圧子押込みによる強度評価法の検討"日本機械学会2001年度年次大会講演論文集. vol.1. 275-276 (2001)
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[Publications] 渋谷陽二, 青野芳大, 小山敦弘: "シリコンのインデンテーション下での転位網の発達-分子動力学シミュレーションによる転位ループの解析-"第14回計算力学講演会講演論文集. 01-10. 69-7 (2001)
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[Publications] 青野芳大, 渋谷陽二, 山中圭史: "弾性解を利用した分子動力学法によるシリコン材の圧子押込み下での転位の射出とループの形成"日本機械学会2001年度年次大会講演論文集. vol.5. 17-18 (2001)
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[Publications] 永原直哉, 小山敦弘, 渋谷陽二: "FIB-TEMによるインデンテーション直下の内部構造の観察と微小硬度評価"日本機械学会関西支部 第77期定時総会講演会講演予定.