2001 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド方式スーパーダイナミックレンジパラレルロボットの試作研究
Project/Area Number |
12555039
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
武田 行生 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (20216914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 和也 ヒーハイスト精工(株), 取締役・技術部長(研究職)
樋口 勝 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40293039)
舟橋 宏明 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (10016529)
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Keywords | ロボット工学 / パラレルメカニズム / 精密位置決め / ハイブリッド機構 / 粗微動機構 / 機構総合 / 転がり球面軸受 |
Research Abstract |
本研究は大変位・高精度を同時実現する3次元位置決め装置としてハイブリッド駆動方式のパラレルロボットを実用化するための試作研究であり,本年度は昨年度の成果に基づき,ロボットの設計,試作および駆動実験を行ってその基本特性を明らかにするとともに,重要な構成要素としての転がり球面軸受の精度等の基本特性について検討を加えた. まず,ロボットの試作にあたり,駆動要素である粗動駆動部および微動駆動部の具体的構成について基礎実験により検討を加えた.粗動駆動部を交流サーボモータとボールねじから構成し,ストロークおよび制御分解能を実構造の設計,試作および駆動実験により明らかにした.微動駆動部については,駆動源を圧電アクチュエータとし,リニアガイドおよび弾性ヒンジからなる案内要素と組み合わせた際の制御性能および剛性を誤計,試作および駆動実験を通して比較・検討し,案内要素として弾性ヒンジを採用することにした.以上の実験により得られた粗動・微動駆動部のストロークおよび制御分解能は機構総合の基礎データとして再度ロボットの機構総合を行って,実際に使用する機械要素の特性を考慮した最適な機構寸法を明らかにした. 次に,本ロボットの重要な構成要素としての転がり球面軸受については,ヘルツの接触方に基づいて,誤差(偏心),負荷容量,静剛性および定格寿命を求める理論式を誘導して,軸受の設計パラメータと上記の性能との関係を明らかにするとともに,誤差および静剛性については実験的検討を行って理論式の有用性を明らかにした.これにより転がり球面軸受の基本的な設計システムが構築できた. さらに,以上の結果に基づいてロボットの設計,試作および駆動実験を行った.作業領域および制御分解能について測定を行った結果,本ロボットは80×80×40mm^3の作業領域において20nm以下の制御分解能を全方向に実現できることが確認された.
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