2001 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロマシンパーツ用パラレルメカニズム型超小型マシニング・メジャリングセンタ
Project/Area Number |
12555040
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
大岩 孝彰 静岡大学, 工学部, 助教授 (00223727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 元宥 静岡大学, 工学部, 助手 (10226011)
松田 孝 静岡大学, 工学部, 教授 (00022012)
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Keywords | 三次元座標測定機 / パラレルメカニズム / マイクロマシン / インチワーム機構 / 熱変位補正 / 回転誤差補正 |
Research Abstract |
本研究では、25×25×25mm程度の立体的なマイクロ部品の三次元的な微細加工・高精度計測を行うための小型の精密加工機・三次元座標測定機の研究をおこなう。そのため、従来の直交座標型のスライドメカニズムを用いず、パラレルメカニズムを用いた超小型マシニング・メジャリングセンタ(パラレル・ナノMMC)を試作する。駆動・測定分解能は5ナノメートルオーダー、空間位置決め精度はサブミクロンオーダーを目指す。 (1)ジョイント回転誤差補正と熱変位補正システム パラレルメカニズムではジョイントの運動誤差や弾性変形が機構の運動誤差の大きな原因となると考えられる。また、高精度の測定機では室温変動などによる熱変位の補正を行う必要がある。ここでは、変位計の増設や温度計を用いずに、直動ジョイントの両端に設置する球面ジョイントの誤差の補正および直動リンク自体の熱変位を補正するための機構を組み込んだ。さらに、これらの補償がうまく作動しているかチェックするための実験装置を設計した。 (2)上記チェック用実験装置の製作 直動ジョイントを伸縮させた際の伸縮量を1nm分解能で測定するためのテストベッドを製作した。伸縮による移動量はレーザ干渉測長器にて測定する。また、ジョイント部に負荷が掛かった際でも、内蔵のスケールによって変形量が正確に指示されるか検証を行う。さらに、室温変動などがあった際のジョイントの熱伸縮が上記システムにより補正されるか検証する。以上の検証を行うため、テストベッドは低膨張鋳鉄にて製作した。 (3)室温を2°変化させた場合、補正なしでは1.3μmの伸びが観察されたのに対して、本補正システムでは0.25μm以下という結果が得られた。これにより室温変動を±0.4°程度に制御すれば、熱伸縮を0.1μm以下に抑えられると判断できる。また5Nの外力を加えた場合は、補正なしでは7μmの誤差があったが、補正システムにより誤差は0.3μmまでに減少した。
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[Publications] 山本 俊夫, 大岩 孝彰: "遺伝的アルゴリズムを用いたパラレルメカニズムのリンク配置の最適設計"精密工学会誌. 67巻10号. 1652-1656 (2001)
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[Publications] 大岩 孝彰, 京極 正人, 山口 浩希: "パラレルメカニズムを用いた三次元座標測定機(第5報)-立体的なボールプレートを用いたキャリブレーション-"精密工学会誌. 68巻1号. 65-69 (2002)