2002 Fiscal Year Annual Research Report
インプロセス観測に基づくELID研削加工メカニズムの解明
Project/Area Number |
12555043
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical- Research |
Principal Investigator |
加藤 照子 理化学研究所, 素形材工学研究室, 協力研究員 (50312260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 伸英 茨城大学, 工学部, 助手 (70203156)
大森 整 理化学研究所, 素形材工学研究室, 主任研究員 (50233276)
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Keywords | ELID研削加工 / 加工メカニズム / インプロセス観測 / 摩擦係数 / 比摩耗量 / 材料設計 / フィードバックシステム |
Research Abstract |
本研究ではインプロセス観測に基づくELID研削加工メカニズムの解明を行った。具体的にはELID電解効果を利用し砥石試験片の表面に酸化膜を生成させた。そして種々の摩擦条件下において、砥石試験片に対し連続加重式表面性状測定機を用いて摩耗過程のインプロセス観察を行い、以下の知見を明らかにした。 (1)#400の酸化被膜を有する鋳鉄ボンド砥石との摩擦の場合、無潤滑下において摩擦係数は0.23〜0.58を示し、潤滑下において0.11〜0.38を示す。(2)#4000の酸化被膜を有する鋳鉄ボンド砥石との摩擦の場合、無潤滑下において摩擦係数は0.16〜0.76を示し、潤滑下において0.15〜0.38を示す。(3)接触圧力が約1.2MPa以上の時、酸化被膜を有する鋳鉄ボンド砥石の比摩耗量(ws:1.0×10^<-6>〜9.7×10^<-5>mm^2/N)は、鋳鉄ボンドの比摩耗量(ws:7.1×10^<-7>〜2.9×10^<-6>mm^2/N)よりも高い値を示す。(4)ダイアモンド砥粒と平面の接触における微視的ELID研削加工のメカニズムを軟質平面と硬質突起の摩耗形態図を用いて検討した.さらに、これらの知見を踏まえて、実用面では、砥石ボンド材料開発のための指針の提案をした。具体的には、ELID研削用砥石ボンド材料としての適度な脱落性の範囲が数値化(比摩耗量ws:10^<-6>〜10^<-4>mm^2/N等)されたので、これらの基礎データを基にELID研削加工用の砥石として新たに開発されたメタルレス導電性カーボンレジンボンド砥石ボンド材料の脱落性の評価を従来の鋳鉄ボンド材料と比較して行った。そして、これらの結果を利用し、砥石開発段階における材料設計へのフィードバックシステムの構築を行った。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Kato, H.Ohmori, K.Katahira, N.Itoh, N.Mituishi, N.Nemoto: "Friction and Wear Properties of an ELID-grinding Wheel based on CCD Microscope observation"Key Engineering Materials. 238-239. 307-312 (2003)
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[Publications] T.Kato, H.Ohmori, I.Marinescu: "Tribological Properties of ELID-grinding Wheel based on In-process Observation by using CCD Microscope tribosystem"Transactions of NAMRI/SME. XXXI(in press). (2003)
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[Publications] K.Katahira, Y.Watanabe, H.Ohmori, T.Kato: "ELID grinding and Tribological characteristics of TiAIN Film"International Journal of Machine Tools & Manufacture. 42. 1307-1313 (2002)
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[Publications] 片平和俊, 渡邊裕, 大森整, 加藤照子, 鈴木秀人: "ELID研削を施した超硬質TiAIN皮膜のトライボロジー特性評価"砥粒加工学会誌. 46・7. 354-359 (2002)