2001 Fiscal Year Annual Research Report
キャビテーションの有効利用による水中ウォータージェットの性能向上に関する研究
Project/Area Number |
12555044
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤川 重雄 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70111937)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺崎 尚嗣 (株)スギノマシン, 研究員
早川 道雄 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80002038)
|
Keywords | 水中ウォータージェット / キャビテーション / 気泡 / 衝撃圧 / 洗浄 / ばり取り / 殺菌 / 分解・合成 |
Research Abstract |
本研究は,水中ウォータージェットを各種産業分野で有効に利用するために,低い噴射圧力で利用可能な新しい水中ウォータージェットの開発を目的とするものである. 本年度は,昨年度に試作した非定常ウォータージェット装置を改修し,ジェット噴出側水槽内の圧力を減圧できる構造にした.これにより,キャビテーション発生を支配する主要パラメータである「キャビテーション係数」を,噴射圧力一定の下で変化させることが可能になった. さらに,連続的に発生するキャビテーション気泡群を観測するための回流式水路を新たに設計・製作し,その試験部にさまざまな形状のノズルを取り付けて,性能比較試験を行った. これらの装置を用いて得られた結果の概略は次のようである. (1)非定常水中ウォータージェット装置による結果 a)ジェットの噴射開始直後に発生するキャビテーション気泡は,噴流出発渦輪と酷似したリング状を呈する.このリング状気泡は多数の小さな気泡群から成っている. b)ジェットが定常状態に近づくと,リング状に分布したキャビテーション気泡群がほぼ周期的に発生する.また,気泡群同士の間にも多数の気泡が流れ方向に連なって発生する. (2)回流式水中ウォータージェット装置による結果 a)オリフィス型ノズルよりも,ベンチュリ型ノズルの方がキャビテーションが発生しやすい.この違いは,とくにノズル下流の圧力を下げた場合に顕著に現れる. b)オリフィスの下流に円管を取り付けること(拡大管型ノズル)により,キャビテーション気泡の発生がさらに促進される. c)拡大管型ノズル内部に衝突板を設置すると,気泡の崩壊によるノイズが著しく増大する.
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] S.Fujikawa: "The observation of ring-like cavitation bubbles formed by an impulsively started submerged water jet"Proceedings of the 4th International Conference on Multiphase Flow. 242. 1-11 (2001)
-
[Publications] K.Nakano: "Cavitation bubbles in a starting submerged water jet"Proceedings of the 4th International Symposium on Cavitation. A7. 1-7 (2001)
-
[Publications] 中野健太: "噴流出発渦によるキャビテーション気泡の挙動"日本機械学会2001年度年次大会講演論文集. II. 267-268 (2001)
-
[Publications] 藤川重雄: "水中ウォータージェットの噴射時に発生するキャビテーション気泡の特性"第11回キャビテーションに関するシンポジウム論文集. 1. 101-104 (2001)